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「4者会談」で南北平和協定を



 国連総会は10月31日、韓国と北韓が初めて共同で提案した「韓半島における平和、安全および統一」促進決議案を全会一致で採択しました。決議案には、189の国連加盟国中、日本、米国、中国、ロシアなど157カ国が共同提案国として名を連ねました。

 決議案は、▽(6月の)南北首脳会談と「南北共同宣言」の支持・歓迎▽南北双方に対する「南北共同宣言」と合意事項の完全かつ誠実な履行勧告▽国連加盟国に対する南北対話と和解、統一プロセスへの支持・支援呼びかけなどからなっています。


■国際社会への南北「共同約束」

 今回の決議は、南北双方が共同して、首脳会談以降の韓半島の平和・安全・統一への動きに対する国際社会の支持を求めると同時に、「南北共同宣言」の完全・誠実履行を国際社会に約束したものであります。「南北共同宣言」履行に対する双方当局者の責任は、ますます大きくなりました。

 韓半島の真の平和と安全のためには、南北間の軍事的な緊張緩和と信頼醸成措置が講じられなければなりません。「南北共同宣言」には韓半島の平和構築と南北和解・交流・協力推進に不可欠な緊張緩和と平和定着問題に関する言及がありませんでした。その欠落を埋めるために、去る9月に南北国防長官会談が開かれました。

 南北分断と「6・25韓国戦争」(50年6月〜53年7月)により、互いに敵対関係にあった双方の軍首脳が史上初めて会談し、「南北共同宣言」の履行を誓い合いました。韓国側が提案した具体的な緊張緩和・信頼醸成措置は論議されませんでしたが、「軍事的緊張を緩和し、韓半島に恒久的で強固な平和を実現し、戦争の脅威を除去することが緊要な問題だということで理解を同じくし、共同して努力していく」ことを確認しました。


■「南北共同宣言」の精神に合致

 その時の合意では、今月中旬に第2回会談が開かれます。今回の会談では、軍事直通電話(ホットライン)の設置、大規模部隊移動・軍事演習規模の事前通報、演習相互参観などについて協議され、具体化へ進展のあることが望まれます。さらに国防長官会談の定例化に加え、会談合意事項の具体化と関連して、「南北基本合意書」(92年発効)に基づき構成された南北軍事分科委員会を、再稼働させる問題も検討されてしかるべきでしょう。

 「南北基本合意書」では、「現在の休戦状態を南北間の堅固な平和状態に転換させるために共同で努力し、このような平和状態が定着するまで、軍事休戦協定(53年7月)を順守する」と明記しています。韓半島の恒久的平和を、南北の両当事者が主体になり決めるのは、当然のことです。

 「休戦状態」(終戦ではなく、戦争の中断状態)が、47年も続いているのは異常であります。恒久的な平和協定(終戦)に早急に移行されなければなりません。

 韓国が「四者会談」(韓国、北韓、米国、中国)を推進しているのは、南北の両当事者が平和協定を締結し、米国と中国がその履行を保障することにより韓半島の恒久的平和体制を構築しようというものです。これは「南北共同宣言」の第1項でうたわれた「統一問題の自主的解決」(南北当事者解決)の精神にも合致するものです。

 「四者会談」推進については、米国も中国も支持・協力をあらためて表明しています。国際社会の支持・声援に恥じぬよう、「南北共同宣言」の完全・誠実履行を、重ねて南北双方に望んでやみません。

(2000.11.08 民団新聞)



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