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地方選挙権付与、一日も早く実現を

韓国外相が森首相や与党に要請



 「永住外国人に対する地方選挙権付与法案」の今臨時国会での審議・成立が注目されているが、李廷彬外交通商部長官は日本を訪問中の6日、自民、公明、保守の三与党幹事長と会談し、「できるだけ早く国会で成立させてほしい」と述べ、在日同胞に対する地方選挙権付与の早期実現を求めた。森喜朗首相とも会談し同様に早期実現を求めた。李外相は、韓国併合を正当化する内容の中学歴史教科書を、日本の出版社が文部省に検定申請しているとの報道と関連して、韓国側の懸念を伝えた。


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教科書検定問題、懸念も伝える

 李外相は6日、野中広務自民、冬柴鐵三公明、野田毅保守の3与党幹事長と国会内で会談し、永住外国人に対する地方選挙権付与法案を「できるだけ早く国会で議了してほしい」と述べた。

 冬柴幹事長は「衆院特別委であっせん利得処罰法案の審議をしており、その後で審議が行われるよう期待している」と早期審議入りに努める考えを強調した。

 また、中学歴史教科書検定申請問題と関連、李外相は「歴史は簡単に書き換えられるものではない」と慎重な対応を要請した。これに対し、野中幹事長は教科書検定を「文部省の教科書検定調査審議会で、そういうことを十分踏まえながら検定作業が行われるが、政治が過度に介入するものではない」と語った。


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森首相とも会談
ソウル―羽田間のシャトル便を要請

 李外相はソウル―羽田間の航空便増便についても要請。野中幹事長は「2002年のサッカーワールドカップ(W杯)は日韓両国の共同作業であり、実りあるものにするよう関係当局と十分協議したい」と述べた。

 李外相は与党3党幹事長との会談後、首相官邸を訪れ森喜朗首相と会談。永住外国人への地方選挙権付与法案の成立を求めた。

 森首相は「韓国の大きな関心はよく承知している」としながらも、「ただ、選挙制度の根幹にかかわり、自民党内にもさまざまな意見がある。今国会の様子を注視していきたい」と9月の韓日首脳会談と同様、慎重な姿勢を繰り返した。

 また李外相が、中学歴史教科書の検定申請と関連して韓国側の懸念を伝えたのに対し、森首相は「文部省で検定基準に従って作業を粛々とやっている」と述べた。李外相は、河野洋平外相とも会談し、韓日の航空便増強で一致をみた。

(2000.11.08 民団新聞)



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