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異質性ばかりじゃなかった

韓日高校生が意識調査



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韓国の中東学院と日本の啓明学院
音楽とファッションでは共通理解も

 【西東京】東京都昭島市の啓明学園(理事長・学園長、平野吉三)が4日、韓国から姉妹校・中東学院の高校生を招いて「韓国と日本」と題する高等学校フォーラムを開いた。これは同学園の創立60周年記念イベントの一環で、中東学院から2年生4人が訪日した。

 フォーラムでは「意識」「生活習慣」「教育」の三つのテーマで両校生徒がそれぞれの学校で実施したアンケート結果をもとに研究発表を行い、意識と文化の共通性と微妙な違いについて認識を深めた。この日を迎えるにあたって啓明学園では生徒16人が調査に携わった。

 調査結果で特に際だっていたのは勉学に対する「意識調査」結果。「ゆとりと個性重視」の啓明学園側では毎日の勉強時間について「1時間」と回答した生徒が最も多く、30%を占めたのに対し、中東学院では韓国国内の学歴偏重傾向を反映してか、勉強時間の平均は「2時間」と啓明の二倍。最大の関心事は大学受験であり、悩みの筆頭にも上がった。

 一方、生活習慣班の調査によれば、好きな音楽、フアッションでは韓国と日本の高校生の間で共通性があることも分かった。将来の進路でも、韓国で医者、科学者志望が依然上位を占めているなか、啓明と同様に「個性を生かした職業」を希望する生徒も少しずつ増えているという。

 中東学院側の調査によれば、日本のアニメやゲームに興味を持ち「日本に留学したい」、「日本人と親しくなりたい」と考えるようになったという生徒が多いことも明らかになった。また、回答者の半数が日本への旅行を希望していた。

 この後、「21世紀を担う両国の高校生が語る」と題して両国の調査委員各4人ずつによるパネルディスカッションが行われた。席上、日本の大衆文化開放について、中東学院の李泰賢君は「日本の音楽はメロデイーだけは聞くことができるが、日本語を見ることができない。日本語も僕たちに開放してほしい」と希望する場面も見られた。

 閉会にあたって双方代表は「私たち高校生はお互いに通じ合っている文化が多いことも知った。素晴らしい未来を共につくっていきたい」という趣旨の声明文を読み上げた。

 啓明学園は幼稚園と初等学校、中学・高校で構成している。キリスト教の教えを教育理念の一つとしており、語学教育、国際理解教育に力を入れている。中東学院とは97年1月に姉妹校提携を結んでいる。

(2000.11.08 民団新聞)



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