民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー

「民族の領袖」に戴く



 「6・15南北共同宣言」に明示された北韓の「低い段階の南北連邦制」案は、80年の「高麗民主連邦共和国案」を修正し、韓国の「南北連合制案」を事実上認め、受け入れたものなのか。そうではなく、より高い段階、つまり「高麗民主連邦制」への前段階とするこれまでの位置づけには変わりがないのか。

 韓国の「南北連合制」は、「統一に至る中間段階(統一を準備する過渡段階)」として位置づけられ、最終的には「自主・平和・民主」の3原則に基づき南北総選挙を通じた「一国家・一体制・一政府」をめざす。

 これに対し北韓の「高麗民主連邦制」は、「自主・平和・民族大団結」を統一の3大原則とし、「一国家・二体制・二政府」をもって「統一の完成」としている。

 「南北連合制」と「低い段階の連邦制」は、「二体制・(軍事・外交権を有する)2地域自治政府」という、そこだけ取り出せば「共通性」がみられる。だが、最終的な「統一」目標は、南北の間で大きな違いがある。

 「入り口」においては、類似したところがあるものの、めざす「出口」(統一の完成形態)では、まだ一致を見るまでには至ってない。「南北共同宣言」は、玉虫色で、南北それぞれに都合のよい解釈の余地を残しているようだ。

 ちなみに、朝鮮総連の徐萬述第一副議長は「(金正日)総書記を民族の領袖に戴くことは北と南、海外全同胞の大きな誇りであり幸福である」と主張。さらに、「南北共同宣言」について「連邦制を基本とした民族共同の統一綱領」とし、「連邦制統一実現」のために全力を尽くさなければならぬと強調している(11月9日の中央委第18期第4回会議での報告)。(Y)

(2000.11.29 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ