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南北の学者が研究発表

朝鮮奨学会100周年シンポ



シンポジウムで握手する奨学会
学者(左から李・韓国側引率団長、
権代表理事、鄭・北韓側引率団長、高代表理事)

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古代史でシンポジウム
新羅、高句麗などの調査発表

 今年100周年を迎えた財団法人・朝鮮奨学会は24日、南北の考古学者、歴史学者を招いて「古代史シンポジウム―今よみがえる、東アジアの新発見」を東京・朝日生命ホールで開いた。これまで外国機関による学術会議では南北学者が同席した例はあるが、同胞主催の会議では初めて。

 韓国からは李元淳ソウル大名誉教授を引率団長に、前国立中央博物館館長の韓炳三東国大教授、李基東東国大教授が新羅、百済の遺跡発掘などについて研究発表した。また、北韓からは社会科学院の鄭哲萬考古学研究所所長を引率団長に石光濬古代考古学研究室副教授、蔡泰亨歴史研究所渤海史研究室室長教授がそれぞれ高句麗、渤海についての研究を発表した。

 また韓半島との交流について西谷正・九州大学教授が古代朝鮮と日本のつながりについて語った。

 会場には歴史に興味を持つ市民や同胞な六百余人が詰めかけ、熱心に聞き入った。特に高句麗、渤海についての北韓の研究は日本であまり知られておらず、ディスカッションに参加した在日や日本の学者からも質問が相次いだ。

 シンポ終了後は南北の学者、朝鮮奨学会の高桂煥、権碩鳳の両代表理事らが壇上で固い握手を結んだ。

 朝鮮奨学会は、当時の朝鮮からの留学生支援のために1900年に発足。43年に財団法人となり、解放後、紆余曲折を経ながら57年に民団、総連双方同数の理事に日本人識者が協力して南北のどちらにも偏らない新たな理事会が構成された。

 100周年に当たって「南北を結ぶ学術交流」を企画し、南北の認識が最も少ない分野として古代史が選ばれた。

(2000.11.29 民団新聞)



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