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民族学級の灯りつなげ50年

大阪市立北中道小で式典



50周年式典で韓国と日本の
童謡を一緒に合唱する児童

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民族講師の献身、同胞父母が下支え
後任配置求め行政交渉の先頭に

 【大阪】解放後間もなく「朝鮮人学校閉鎖令」の弾圧に抗議する在日同胞が自治体と「覚書」を交わすことで存続の認められた民族学級が、今年、相次いで開設50周年の節目を迎えている。大阪では今年50周年を迎えた6校のうち、まず、市立北中道小学校(古林茂校長、大阪市東成区)が19日、記念の祝賀行事を行った。

 北中道小学校は現在、児童総数は259人。このうち在日同胞子弟は80人を数える。1994年度までは5・6年生を対象に開設されてきたが、民族保護者会の要望を受けて95年度から99年度までに全学年に広げられた。

 北中道小民族学級が今日まで一度も中断することなく継続できた原動力は、孤軍奮闘してきた歴代の民族講師の努力、及びそれを支えてきた保護者の努力が大きいと関係者の多くが指摘している。

 民族保護者会の元会長、張景信さんは「十数年前に保護者会が崩壊寸前になったときがある。これはあかん、絶対に衰退させてはならないと立ち上がった。民族に対する熱い思いが子どもたちの民族学級を支えてきた」と振り返った。

 当時、大阪府と覚書を交わして存続の認められた北中道小民族学級は、在日同胞一世の民族講師、黄徳周さんが定年を迎え、曲がり角を迎えていた。民族学級の校内での位置づけは明確ではなく、学校側の協力は不十分だった。民族学級のいく末に危機感を抱いた民族教育連絡会のメンバーは「民族学級の灯を消すな」を合い言葉に同胞保護者と「民族学級の存続を求める会」を結成、大阪府と精力的に交渉を重ねてきた。

 この間の取り組みによって後任が配置され、民族講師と保護者、教員の三者が相互に協力しあう体制が形作られてきた。今回の記念式典も学校、PTA、民族保護者会が初めて一体となって取り組んだもの。

 大阪府民族講師会会長の朴正恵さんは「民族講師が途切れることなく配置できたことで今日、50周年を迎えられた。なんといっても民族講師の先輩の努力、それを引き継いだ保護者の思いが50周年の原動力」と振り返っている。

(2000.11.22 民団新聞)



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