民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
21世紀の民族教育を見つめて

民族学校の現場から<6>



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初心忘れずにがんばりたい
金依可(東京韓国学校・社会科教師)

 東京韓国学校に赴任して3年目になる。それまでいた環境と違うところがたくさんあったので、はじめは戸惑いを感じた。でも同じ民族ということで、戸惑いも少なくなり、今は充実した学校生活を送っている。

 高校生の日本の社会科を担当している。在日同胞のクラスは、学生数も少ないので、一人ひとりと接する時間が多く、生徒の様子がとてもよくわかる。

 在日の生徒は、卒業後、韓国の大学へ進学したり、日本の大学へ進学したりとさまざまである。とても大切な選択なので、生徒たちも真剣になる。

 本校は「1条校」ではないため、日本の大学へ入るためには大学入試検定試験(大検)に合格してから、大学に受験することになる。

 生徒は、11科目合格することによって、初めてこの資格を得ることができる。11科目の中に社会科としては、世界史、日本史、政治経済、地理、現代社会がある。

 今回受験した生徒たちの中には、合格した者もたくさんいるが、残念ながら不合格だった人もいる。

 これらを担当している私としては、生徒たちが授業の中で基本的な知識を養うとともに、大検に合格するよう、少しでもサポートできるようにがんばりたいと思う。


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 本校では、バレーボール、バスケットボール、テニスをはじめ、舞踊、日本語会話などの特別活動がある。

 生徒は自分の好きな部に入り、活動を行っている。その中で、私は剣道部を担当している。ほとんどが初心者なので、基本的な動作を中心にやっている。

 生徒は、一生懸命練習するので上達が早い。特別活動の時間以外にも、週3回、放課後に練習している。体育館の半面を使い基本打ちから、実戦練習まで、いろいろな形でやっている。

 昨年度は、1月に鳳翔剣大会という、中高生を対象とした大会に出場した。4名が参加したが、勝ち進むことはできなかった。しかし、習い始めて1年にも満たない生徒が防具をつけ、日本の中学生とたくましく試合をしている姿を見て、とてもうれしく思った。生徒にとっても、よい経験になったと思う。

 これを機会に剣道のおもしろさ、試合での緊張感、勝つ喜びを味わい、剣道を通じて何かを学んでほしいと思っている。

 今年度も1月の大会に是非参加して、いい刺激を受けるようにさせたい。そして、もっともっと練習を積んで、大きな大会に出場できたらいいなあ、と胸をふくらませている。


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 まだまだ韓国語も十分でなく、未熟なところもたくさんあるが、この韓国学校での自分の役割をしっかり考えながら、初心を忘れずに、経験を積んでいき、一人前の教師になれるように励んでいきたい。

(2000.12.06 民団新聞)



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