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南北離散家族が相互訪問

8月以来2回目、制度が急務



11月30日、平壌で北韓に住む息子(75歳)と
再会を果たした韓国側代表団最高齢者
100歳の柳斗喜さん(左)

 【ソウル】南北首脳会談での合意に基づく2回目の南北離散家族訪問団相互交換が、11月30日から今月2日まで行われ、双方それぞれ100人ずつの離散家族が、平壌とソウルで家族・親戚らと約半世紀ぶりの再会を果たした。

 韓国側代表団は奉斗玩大韓赤十字社副総裁を団長に離散家族100人(70代が66人)、支援要員30人、取材団20人の計151人からなり、北韓側代表団は張在彦赤十字会中央委員長を団長に離散家族100人(60代が過半数を占め、しかも社会的に地位の高いエリートが中心)、支援要員20人、取材団15人の計136人。

 今回は、前回8月の相互訪問より1日短縮されたが、離散家族の再会時間を前回より拡大し7〜8時間確保した。しかし、訪問団の市内観光や晩餐会には現地の家族・親戚は同行できず、ホテルでの同宿や墓参も実現しなかった。

 韓国側では、かねてから離散家族の苦痛を少しでもやわらげるためには生死確認、書信交換、面会所設置など制度化が急がれると主張している。奉団長は30日の平壌到着声明で「すべての離散家族が生死確認から始まって手紙の交換と故郷を訪問できる日が遠からずやってくるとの希望を持っている」と強調した。

 一方、北韓側の張団長は30日のソウル到着声明で、「離散家族再会が統一に寄与すると期待しているが、一部ではこうした期待とは裏腹に、訪問団交換事業に歯止めをかける出来事が起きている」と主張、張忠植大韓赤十字社総裁が「月刊朝鮮」(10月号)のインタビューで「平壌は10年間発展せず、停滞していた」「北には自由がない」などと述べたことを暗に批判した。これに先立ち、北韓側は張総裁の罷免などを要求しているが、張総裁は「離散家族の行事を円滑に行うため」(朴基崙大韓赤十字社事務総長)に、11月29日夜、突然ソウルを離れ日本を訪問した。

 なお、87年に北韓側に拿捕(だほ)された韓国漁船「トンジン号」の乗組員で、北韓に「残留」(韓国側では拉致と主張)している姜喜根氏(49)が、南北離散家族訪問団の一員として平壌を訪れた母親(73)と再会した。


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次回は来年に延期か…北側意向

 【ソウル】今月13日に予定されている第3回南北赤十字会談と年内実施で合意をみていた第3回離散家族相互訪問団交換は、来年に延期されるもようだ。

 大韓赤十字社の朴基崙事務総長は2日、「当初今月始めに予定されていた第3回故郷訪問は来年に延期されるとみられる。このほどの第2回訪問団の一員としてソウルに来た北側関係者がそのような意向を伝えてきた」と明らかにした。

 韓赤関係者によると、11月30日に第2回離散家族交換訪問に同行してソウル入りしたチェ・スンチョル南北赤十字社会談北側代表団長は「上級会談(長官級会談。12月12〜14日まで平壌で予定)があり、赤十字会談は物理的に難しいのではないか。離散家族交換訪問も気候が寒くなることから年内には困難ではないか。気温が緩んでから実施しよう」と表明したという。

(2000.12.06 民団新聞)



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