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追憶の在日1世を現代詩に

李美子さんが「福田正夫賞」



授賞式で喜びを
述べる李美子さん

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『遙かな土手』(土曜美術社)で

 新進気鋭の現代詩人に贈られる「福田正夫賞」(福田正夫詩の会)の第14回受賞作品に在日同胞二世、李美子さん(57)=東京都多摩市在住=の『遥かな土手』(99年10月発行、土曜美術社出版販売)と松田悦子さん(51)=千葉県船橋市在住=の『ジジババ』(1999年9月発行、倉林写真制版)が選ばれた。

 同賞は社会性のある作品から選ばれる。今回は関係者を対象としたアンケートで候補作39冊の中から10冊に絞り込んだ。最終選考委員会では3冊が残り、「優劣つけがたい」として二冊を受賞作と決めた。賞始まって以来、ダブル受賞はこれが初めて。


◆ばた屋の朴さん
◆かるびや繁盛記
◆土手下朝鮮

 李さんは日本社会の底辺でたくましく生きる在日同胞一世に寄り添い、温かい視線を注いでいる。今回の作品集に収められた「ばた屋の朴さん」、「かるびや繁盛記」、「土手下朝鮮」などがそのいい例だ。

 授賞式は2日、東京・渋谷の国学院大学院友会館で行われた。席上、李さんは「一世の失われた記憶を詩として残していきたい」と抱負を述べた。

(2000.12.06 民団新聞)



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