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同胞の街、長田に共生の老人ホーム

「故郷の家・神戸」が完成



在日同胞と日本人が
共に入居できる「故郷の家・神戸」

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オンドルと畳、キムチと梅干しが共生
来年2月から入居スタート

 【兵庫】在日同胞と日本人が一緒に暮らせる多文化共生の特別養護老人ホーム「故郷の家・神戸」が神戸市長田区に完成した。社会福祉法人こころの家族(尹基理事長)が運営する特別養護老人ホームとしては大阪堺市の「故郷の家」に続いて2番目。堺市の施設が在日同胞専用だったのに対し、「神戸」では在日同胞と日本人の入所者を半分ずつにしていく方針。

 「故郷の家・神戸」は在日韓国人と日本人が共生できる施設として様々な工夫が施されている。2日、報道関係者らに公開された。

 居室は4人部屋だが、間仕切りで個室にもなる。オンドル式と畳部屋を用意しており、食事もセルフサービスでキムチの韓国食と梅干しの付く日本食を選べる。施設内ではアリランと日本の演歌が流れるというぐあい。

 鉄筋コンクリートの地下一階、地上三階建て。敷地面積は2251平方メートルあり、広々とした造り。本来の特別養護老人ホーム(定員50人)としての機能のほか、ショートステイ(定員20人)、デイサービス(定員20人)施設も兼ね備えている。このほか、ケアプランセンターとしてお年寄りのための介護サービス計画を作成したり、ヘルパーの派遣も手がけるなどきめ細かく対応する。

 総工費は12億7826万円。このうちの約半分は日本国と神戸市から補助金を仰いだ。残り5億9000万円の自己負担金については引き続き有志に寄付を募っている。いまのところ、寄付金の集まり状況は全体の16・4%程度だという。「こころの家族」ではこれからも年間1万円の「賛助会員」3万人を目標に協力を呼びかけていきたいという。

 「故郷の家・神戸」は、大阪・堺市の「故郷の家」を訪問した長田区に住む在日同胞ハルモニたちが尹基理事長に「神戸にも『故郷の家』を作ってほしい」と要請したのが始まり。そのうちの一人、在日同胞一世の金容星さん(75)は建設資金の一助にと3000万円を寄付した。これからさらに2000万円を拠出する考えだという。

 入所希望者については専門係員が面接のうえ、介護認定などの手続きを進めていく。このため竣工式は来年2月1日までずれ込む見込み。

 施設の所在地は神戸市長田区東池尻町7-14。問い合わせは電話0722(71)0884、社会福祉法人「こころの家族」まで。

(2000.12.06 民団新聞)



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