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待望の在日大韓蹴球団結成

来春の大統領にチャレンジ



12月15日に産声を
あげた在日大韓蹴球団

◆優秀選手発掘し韓日両プロに輩出へ

 在日同胞にとって古くから特別の思いを抱いているスポーツ、サッカーの在日同胞常設代表チーム「在日大韓蹴球団」が15日に誕生した。都内の経団連会館で記者発表と結成記念式が行われた。朝鮮籍同胞7人を含む20人で構成したチームは、来年3月に韓国で行われる大統領杯で公式デビューする。今後、韓国や日本で「在日」としての存在をアピールし、優秀な選手のKリーグやJリーグへの輩出をめざしていく。


◆朝鮮籍7人を受け入れ

 在日本大韓蹴球協会(宋一烈会長)が今年3月からのセレクションなどを通じて結成を進めていたもので、高校生や大学生、社会人など18歳から31歳まで同胞選手20人を選抜した。現役の朝鮮高校生をはじめ、朝鮮大学出身者ら朝鮮籍選手7人も受け入れた。また、元JリーガーやKリーガー経験者も含まれている。

 監督は元日産自動車(現横浜F・マリノス)のDFだった、山本裕司さん(44)が担う。結成した蹴球団は来春の大統領杯が公式デビューとなる。

 宋会長は「1958年の在日蹴球協会結成以来、大先輩たちからの夢だった」とし、「初陣となる来春の大統領杯では在日同胞の存在をアピールしたい」と述べた。

 山本監督は「正直、まだ完全なチームとは言えないが、やるからには勝ちにいきたい。勝てる試合はしっかり勝ち、負けの試合を引き分けに持っていく粘り強さを見せたい」と大統領杯に向けた抱負を述べた。

 中学時代、韓国に3年間、サッカー修学していたキャプテンの李根錫選手(27・MF)も「当時の同期生たちがKリーグで活躍している。大舞台では全力を尽くしたい」と決意を披露した。

会見後、手を取り合って健闘を誓う
(左から山本裕司監督、宋一烈会長、李根錫主将)


◆制限あるなら韓国で活躍を

 日本国内では国籍の関係で「在日チーム」は地域レベルでのリーグ活動しか認められていない。また、Jリーグの場合も、日本の高校などを卒業すれば日本人と同扱いが与えられる「在日特別枠」があるが、これはわずか1人。

 宋会長は「1という数字はゼロと同じ。それならば制限のない韓国に行こうと思い蹴球団を結成した。将来は優秀な選手をKリーグやJリーグに排出し、在日同胞の子どもたちにとっても夢を与えるチームに育てたい」と話していた。

 既に、蹴球団の中から2人の選手がKリーグ入団が内定している。


◆元韓日代表が期待と激励

 会見後の記念パーティには、呂健二民団中央副団長をはじめ、民団、体育会関係者ら250人が参席した。

 さらに40年前の在日同胞代表イレブンたちも顔を連ね、新世紀への結集をともに喜び合った。

 また、韓日サッカー界から、李会沢・全南ドラゴンズ監督、趙榮増・韓国ユース代表監督、崔淳鎬・浦項スティラーズ監督、元日本代表監督の森孝慈氏、元日本代表の金田喜稔氏、木村和司氏ら、元韓日国家代表らが激励に駆けつけたほか、大韓サッカー協会の鄭夢準会長からも激励のメッセージが寄せられた。

 蹴球団は今後、大統領杯に向け、毎月1回の合宿のほか、来年3月上旬には韓国入りし、約1カ月間の長期合宿を行う。

(2000.12.21 民団新聞)



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