民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
関西興銀・東京商銀の破綻で

民団中央団長が緊急談話



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在日同胞の英知と勇気結集し
時代に対応できる新銀行を

■関係者の冷静な対応を求める

 金融再生委員会は民族金融機関の大手である信用組合関西興銀と東京商銀信用組合に対して、金融再生法に基づき金融整理管財人を派遣して破綻処理することを決めました。

 昨今の経済不況と金融改革が同時に押し寄せ、弱者消滅・強者存続の厳しい淘汰の時代であることを直視し、民団は民族金融機関の強化を訴えてきました。そして、当事者である在日韓国人信用組合協会(韓信協)も銀行化に向けて本格的な作業に着手したところであります。このような時期に関西興銀、東京商銀に対する破綻処理は大きな衝撃であると同時に極めて遺憾であると言わざるを得ません。

 周知のとおり、民族金融機関は苦境にあった同胞の経済活動を立ち上げ、生活の安定をもたらすべく設立されました。そして、在日事業者への資金供給源としての役割を充分に果たし、同胞零細企業を支えてきたのも事実であります。その牽引車がまさしく関西興銀、東京商銀であり、両組合の組合員をはじめとする役職員の長年の努力を高く評価するものであります。

 本団は、民族金融機関の出資者、預金者のほとんどが、われわれ在日同胞であることを踏まえ、今回の処理による同胞経済界の1時的な混乱を必要最低限に押さえなければなりません。預金が全額保護されることを鑑み、関係者の冷静な対応を強く求めるものであります。


■両組合役職員は毅然とした態度を

 同時に両組合の役職員はこれまでの実績に誇りを持って痛みをこらえながら、この難関に毅然とした姿勢で対処して頂くことを望みます。

 今回の日本の金融当局による措置は、日本の大手銀行ですら破綻を余儀なくされている昨今の日本金融業界を鑑みれば、将来の在日同胞社会の飛躍に向けての陣痛と受け止め、この試練を一致団結して乗り切らなければなりません。

 在日同胞社会にとって民族金融機関は必要不可欠であることは論を要しません。四十数年前に、あの逆境の中で日本各地に信用組合を作り上げてきた先輩たちの努力に習い、われわれも今、新たに強固な金融機関を作り上げなければなりません。

 今緊急に求められているのは、在日同胞社会の経済基盤の強化に向けて新銀行を設立することであり、そのために在日同胞社会の全力量を結集することであります。

 本団はこれまでの韓信協の銀行化への努力を踏まえ、新しい時代に対応できる銀行設立に向けて主導的な役割を担っていく所存であります。

 全団員、組合員そして役職員の皆様に冷静さを保ち、同胞の英知と皆様の勇気を持ってこの難関を力を合わせて克服することを訴えます。

2000年 12月16日
在日本大韓民国民団
中央本部団長 金宰淑

(2000.12.21 民団新聞)



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