民団新聞 MINDAN
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21世紀を新たな決意で



 平和と人権の時代と言われる21世紀を迎えました。

 在日同胞社会は、解放後から過半世紀の間、韓国の在外国民として、そして人間としての誇りを支えに、豊かで強固な在日同胞社会の建設を目標に、幾多の試練を克服し、今日を築きあげて来ました。新世紀のはじめに、提起されている課題を確実に実現していく決意を新たにしたいと思います。


■在日同胞社会の和合めざし

 東西冷戦構造が唯一残っている韓半島において、対立状況の克服は韓民族の悲願であります。20世紀最後の年に持たれた南北韓の首脳による画期的な一歩とその後の和解と協力に向けての一連の努力は、金大中大統領にノーベル平和賞が授与されるほど全世界の人々に大きな感動を与えました。このことは平和を願う世界の人々から、わが民族に寄せられた期待の表れとして、真摯に受け取めるべきでしょう。

 このような韓半島の和解と協力を背景に在日同胞社会の和合に向けての努力も活発化しました。私たちは朝鮮総連が地方参政権運動に反対の立場をとっていることを認識したうえで、民族的使命の発露として推進しました。全国の各級組織で積極的に取り組まれ、昨年1年間で100カ所を超える幅広い交流が実現しています。全同胞の支持を受けているこの流れを押しとどめることは出来ません。新世紀においては、より多くの地方で同胞の情愛を深める交流が持たれることでしょう。在日同胞社会の統合に向けて確かな一歩を踏み出す年にしたいものです。


■地方参政権獲得と新銀行設立

 地方参政権獲得運動は、名実ともに日本における共生・共栄社会の実現をめざす21世紀を象徴する運動です。昨年の臨時国会の場で、これほど具体的に審議されたことは、かつて無かったことであり、大きな前進です。人権先進国として豊かな日本社会を築く運動でもあります。新年早々に開かれる通常国会で、なんとしても採択されるよう、全組織が一丸となって、日本国民の理解と賛同を求めて行きましょう。

 また、20世紀の同胞社会を支えてきた民族金融機関の「銀行化」への取り組みは、昨年末に指導的な役割りを果たしてきた二大信組の破綻という思わぬ事態によって、新たな局面にいたりました。日本経済のバブル崩壊と長期にわたる不況に原因が求められるとはいえ、破綻信組の受け皿銀行の早急な設立が望まれます。民族金融機関によって支えられていた同胞の中小・零細企業の救済と既存信組の健全育成のためにも急がれます。21世紀を担う次世代の経済活動を支える健全な新銀行を全同胞の力で立ち上げて行きましょう。


■次世代の育成にむけて

 在日同胞社会の和合と地方参政権、新銀行の設立は、21世紀の在日同胞社会を担う次世代が活躍するための基盤となるものです。新世紀最初の夏に開催する「オリニ・ジャンボリー・イン・ソウル」は、民族的自負心にあふれた次世代の育成をめざす契機づくりの象徴的な事業であります。幸い、日本政府は公教育の場で、国際人権教育の推進を公けにしております。私たちは、このような状況を積極的に活用し、自負心にあふれた次世代の育成にむけて具体的に実践していきましょう。

 明るく豊かな21世紀の在日同胞社会建設に向けて、全同胞の結束をはかりながら着実に前進させる1年としましょう。

(2001.01.17 民団新聞)



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