民団新聞 MINDAN
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同胞高齢者福祉の拠点、都内にも

東京青商が自宅開放しデイサービス



具体案を協議する「在日生活問題連絡協」
メンバー(金日権さん宅で)

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有志で準備会、受け皿づくり急ぐ

 東京韓国青年商工会の呼びかけを受けて在日同胞高齢者福祉に関心のある有志が21日、都内で初会合を持ち、少人数のお年寄りにデイサービス(日帰り介護)の場を提供する「託老所」を豊島区内に開設することで合意した。2月から試験的に取り組み、参加者の意見を聞きながらサービス内容や運営方法などを決めていく。正式スタートは3月1日から。

 デイサービス施設の開設は同青商同胞問題委員会所属の金日権さん(45)が豊島区駒込にある四階建て自宅の一階フロアを提供することで一気に具体化した。同フロアは二十坪余り。近隣の住民が趣味のダンススクール会場などとしても活用している。

 金さんは寝たきりの肉親を抱えているだけに、同胞高齢者介護問題にひときわ深い関心を寄せてきた。社会福祉法人青丘社(李仁夏理事長)が川崎市で在日高齢者クラブ「トラヂの会」を立ち上げた際には半年間、現場に足を運んで運営のノウハウを学んでいる。

 同青商同胞問題委員会が昨年10月、青丘社の李理事長を講師に「在日高齢者福祉問題を考える」講演会を企画したときのこと。金さんは婦人会東京本部傘下の二つの支部会長から「在日高齢者の福祉問題に取り組みたいが、いつも場所の問題にぶつかる」と相談を受け、「それなら自宅を提供しよう」と申し出た。

 講演会参加者からもデイサービスの開設や、同胞のホームヘルパー養成を望む声は思いのほか強かった。同胞問題特別委員会では、これらを具体化していくための方策を協議する場として関心の深い有志に「在日生活問題連絡協議会」への参加を昨年から呼びかけてきた。

 21日、金さん宅で開かれた初会合には一級建築士やホームヘルパー1級資格取得者、日本人の大学教員、都内の同胞老人会代表など12人が参加した。

 席上、金さんは都内で在日同胞高齢者サービスのモデルケースをつくり、各支部に広げていきたいと抱負を述べた。これに対して各参加者からは、ホームヘルパーや看護婦、食事作りなど自発的にさまざまな形で協力の申し入れが相次ぎ、構想は一気に具体化した。今後のヘルパーの養成については民団、ないしは婦人会に協力を仰ぐ考えだ。

 具体的なプログラム、財源の手当てについては2月1、8、15、22日に試験的にデイサービスを実施、参加者と相談しながら決めていく。時間は午前10時から午後4時までの予定。正式には参加者の反応を見ながら3月1日からスタートさせる方針。

 金日権さん宅は豊島区駒込1−7−10。参加希望者は電話03(3946)5963、FAX03(3946)3336まで。

(2001.01.24 民団新聞)



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