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阪神大震災から6年

FMわいわいが開局5周年
外国籍住民に8カ国語で勇気



地域住民、関係者らが
つめかけた開局5周年イベント

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日本語不自由な外国人被災者に勇気
「多文化共生の街」をめざして発信

 【兵庫】阪神大震災を契機に神戸に開局されたFMわいわい(77・8メガヘルツ)―。5年以上にわたって多言語放送を続け、震災当時から日本語理解が充分でない外国籍住民への情報提供で多くの外国人に勇気を与えてきた。21日には開局5周年記念式典も開かれ、今後も外国籍市民と日本市民が共生できる街づくりへ役立ちたいと情報を発信していく。

 1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災の時、錯綜する情報の中で言葉が通じず必要な情報すら得られずに心細い思いをした外国籍住民が数多く存在した。このような状況を憂慮した同胞らが震災2週間後の1月30日、韓国学園の一室から一世やニューカマーに向けた韓国語と日本語による放送局「FMヨボセヨ」を開局。その後、被災ベトナム人の救援連絡のため、鷹取教会にも「FMユーメン」が開局し、震災半年後に二つの局が一緒になって「FMわいわい」となった。

 震災1年後の96年1月17日、郵政省の認可を得てコミュニティFM局として正式に開局し、今年5周年を迎えた。当初、韓国・朝鮮語、ベトナム語、タガログ語・英語、スペイン語、そして広く地域住民に向けて日本語と、五つの言語で放送を開始し、中国語などを加えた8カ国語で放送を続けてきた。

 震災の混乱の中、避難所生活を余儀なくされたり、元の住まいを離れて頼る隣人も少ない仮設住宅で暮らす外国籍住民に県や市の広報、生活情報などをこまめに流し続けるなど生きる勇気を与えてきた。

 21日に長田区のカトリック鷹取教会で開かれた開局5周年記念式典には、放送局や教会関係者をはじめ地元住民ら約300人が参加した。神田裕代表は「FMわいわいは皆でつくりあげたもの。21世紀もそれぞれの立場で役割を果たし、存在意義を確かめ合い、守っていこう」とあいさつ。地元サンテレビジョン、ラジオ関西関係者ら多数の来賓祝辞に続き、神田代表や全美玉マネージャーらによる鏡割りが行われた。その後、参加者は韓国料理、中国料理やベトナム料理などに舌鼓を打ちながら、各国の民族舞踊を楽しんだ。

 全マネージャーは「今後も楽しくわいわいと、タブーや国籍、老若男女もなく、それぞれが主人公になり『多文化共生と人間らしいまちづくり』のコンセプトを共有し育てていきたい」と抱負を語った。

 同局関係者らは、ボランティアを含めた総スタッフ150余人が一丸となって街づくりと日本人と外国人の交流に重点を置いた番組づくりに取り組み、地域に根ざしたコミュニティFM局として、地域共生のシンボルとしての存在をアピールしたいという。

 震災の助け合いの中でかいま見た、「多文化・多民族共生のまちづくり」を合い言葉に、FMわいわいは今日も韓国語、中国語など8カ国語で放送を続けている。問い合わせは電話078(737)3196へ。

(2001.01.24 民団新聞)



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