民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
21世紀の民族教育を見つめて

民族学校の現場から<13>



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母校で教えるよろこび
韓明子・金剛学園小教諭

 私が金剛学園に勤めるきっかけになったのは「教育実習」です。幼稚園から中学3年までの11年間金剛学園に通いましたが、高校、大学は日本の学校へと進みました。「先生になりたい」という小さな頃からの夢もあり、大学は初等教育学科で学び、免許を取るための教育実習で1カ月間、金剛学園にお世話になりました。その教育実習を終えて、ますます「母校で教えたい」という気持ちが高まりました。

 というのも、私が在学していた頃と変わらず、「家庭的な雰囲気」があり、子ども達の目がとても生き生きとして、純粋だったからです。

 「学級崩壊」や「きれる子ども」が問題になっている教育現場の中、「なぜこんなにも純粋なんだろう」と考えた時、全教師が子ども達一人ひとりに目を配り、親身になっているのが子どもながらにわかるのだと思いました。

 金剛学園は建物や運動場がせまく、施設の面でも他の学校に比べると充実していない面がありますが、せまい学校だけに、廊下や運動場で高校や中学のオン二、オッパが幼稚園児や児童たちと遊んだり、話したりできる場面もあって、良い所もたくさんあると思います。

 私はすばらしい先生に出会い、また、自分の母国の事を学べた金剛学園に勤めて、子ども達に何か一つでも伝える事ができたらと思っています。

 そして、3年前から金剛学園に勤めるようになり、今年は1年生を担任しています。初めはとまどいもありましたが、26人の子ども達と毎日を忙しくも充実した毎日を送っています。

 今年の1年生は日本国籍の子どもがたくさんいます。私が在学していた頃は在日又は、駐在の子どもがほとんどでしたが、韓国語と日本語の両方の言語を共に学び、また、となりの公立小学校との交流・旧正行事・カルタ大会などの行事を共に体験して、お互いの文化に触れることができます。このように二つの国の子ども達が共に学べることは、身近で異文化に触れる事ができるということですので、とても素晴らしいことだと感じています。私もまだまだ学び足らない事がたくさんあるので、韓国語をみがき、韓国・日本のどちらの文化も子ども達に自然に受け入れてもらえるように勉強していきたいと思っています。

 小学校の放課後、クラブ活動のラグビー部の副顧問として、1年から6年までの二十数人の児童たちと毎週火曜日に汗を流しています。低学年と高学年だと体つきも力も差がありますが、子ども達なりに一生懸命で、韓国語又は、日本語がわからなくても一緒に練習し汗を流す事で、コミュニケーションをとっています。こういったクラブ等の活動をもっと盛んにし、子ども達が学年に関係なく触れ合える場を増やしていきたいと思っています。

 民族学校というよりも、金剛学園という小さな国際社会のなかで、お互いを認め合い、いろいろな事に気づき、素直に感じれる子どもになって欲しいと願いながら、初心を忘れず頑張りたいと思います。

(2001.01.31 民団新聞)



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