| 李さんと関根さんのために 鎮魂の演奏をかなでる丁さん |
在日同胞バイオリニストの丁讃宇さん(50)が人命救助のため痛ましい最期を遂げた韓国人留学生、李秀賢さん(26)と日本人カメラマンの関根史郎さん(47)を悼み、1月31日、事故現場のJR新大久保駅前で鎮魂の小品を捧げた。
当初、丁さんは2人が犠牲となったJR山手線内回りホームでの演奏を希望していたが、混乱を心配したJR側の了解を得られず、現場ホームを見上げる位置にある地上改札口前が選ばれた。
曲目は関根さんのために日本の歌曲「平城山(ならやま)」を、李さんには韓国の歌曲「カゴパ」(帰りたい)を選んだ。丁さんは演奏中、2人の尊い犠牲に思いを寄せるかのようにじっと目をつぶり、もの悲しいメロディーを奏でた。駅を出入りする乗客もしばし足を止め、演奏に聴き入っていた。
演奏修了後、記者団に囲まれた丁さんは「悲惨な事故ではあるが、2人は日本人の心の中に信頼の光を与えてくれた。この勇気に対して自分もなんとかしないと、との思いに駆られて企画した」と述べた。
◆追悼演奏会3月に
なお、丁さんは3月2日午後7時から東京のサントリーホール小ホールで2人のための追悼コンサートを開く。曲目は「カゴパ」などの親しみやすい小品を予定しているという。会場入り口には箱を置き、入場料に代わるものとして心ばかりの義援金を受け付ける。収益金は全額、2人の遺家族に送ることにしている。
(2001.02.07 民団新聞)
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