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京義線復旧工事「DMZ」規制

北韓、合意書交換延期を通達



 【ソウル】韓国と北韓は、8日に板門店の北側施設「統一閣」で開いた、京義線鉄道(ソウル―新義州)の復旧と同線に並行して建設する道路の工事のための第5回軍事実務会談で、非武装地帯(DMZ)共同管理区域設定など41項目からなる「南北管理区域設定と南と北をつなぐ鉄道と道路作業の軍事的保障のための合意書」に完全合意した。

 合意書は、双方の国防相(北側は人民武力相)が12日にそれぞれ署名した後、14日には板門店で交換され発効することになっていた。これにより双方は、解氷期である来月中旬頃にDMZ内の地雷除去および京義線復旧と道路建設に本格的に着手するものとみられていた。

 ところが、北韓側が11日になって突然、「行政上の理由で応じることができない」と「合意書」の「署名交換日の延期」を一方的に通告、「今後の日程は追って知らせる」と表明した。

 韓国政府関係者が11日明らかにしたところによると、8日の軍事実務会談終了直後、北側代表が、韓国が昨年発表した「国防白書」で北韓を「主敵」と規定したことと関連し、「『主敵』概念を変更しない限り、(第2回)国防長官会談はない」との「終結宣言文」を朗読した。これに韓国側が反論、論争になったという。

 「合意書」によると▽京義線が通過するDMZ共同管理区域の幅は鉄道・道路路盤を含め250メートルとする▽地雷や爆発物の除去は、南北管理区域の双方地域に限って実施▽除去作業は解氷期に開始するが、開始一週間前に互いに連絡し同時に着手する▽地雷除去は午前9時から午後5時までとし、地雷を爆発させる作業は午後だけ行う▽双方間の作業距離が400メートル以内に狭まる場合、地雷除去は南側が火・木・土曜日に、北側が月・水・金曜日に作業する。

 また▽南北管理区域内には軍事境界線(MDL)から250メートル離れた所にそれぞれ一つずつの警備哨所を設置する以外はいかなる軍事施設も建設しない▽DMZ内生態系保護のために、DMZ南方限界線から600メートル離れた共同管理区域内に野生動物などの移動通路(エコブリッジ)を設置する―ことにした。

 同時に、工事現場の責任者間に直通電話2回線とファクス1回線を設置することにも合意した。

(2001.02.14 民団新聞)



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