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ベルリン五輪マラソン

銅メダリストの南昇龍さん逝く



 【ソウル】日帝植民地下の1936年、ベルリン五輪のマラソンに日本代表選手として出場し、銅メダルを獲得した南昇龍さんが20日午前10時25分、心不全のためソウル市内の病院で死去した。88歳だった。

 全羅南道の順天出身。学生時代を日本で過ごし、明治大学に進学後、飛び抜けた才能を評価した日本の貴族の支援を受けてベルリン五輪に出場した。同五輪のマラソンで優勝した孫基禎氏とともに表彰台に立った。

 優勝を報じた東亜日報が孫さんの胸の「日の丸」を消した写真を掲載したことから発刊停止になるなど、孫さんの存在が植民地支配による悲劇の象徴として注目を浴び続けたのに対し、南さんは歴史の陰に隠れた存在だった。

 南さんはベルリン五輪後も、47年のボストンマラソンで10位に入るなど息の長い選手生活を送った。63年まで韓国陸上連盟の理事を務めるなど韓国陸上界の発展に尽くした。

(2001.02.28 民団新聞)



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