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民族学級、過去から未来を展望

大阪で民族講師が教研集会



 【大阪】来年度から学校改革の一環として導入される「総合的な学習の時間」を視野に、多民族・多文化共生の視点に立った人権教育の実現をめざす大阪府民族講師会が24日、大阪市立北鶴橋小学校で第2回教育研究集会を開いた。府内の民族講師や日本人教職員ら250人が教育実践のあり方をめぐって熱心な討論を繰り広げた。

 一部式典では、民族講師として36年間教鞭を取り、民族学級の維持・発展に奔走してきた金容海さん(民団中央本部民族教育委員長)が記念講演。民族学級で使用する教材も教室も自前で準備せざるを得ず、保護者の家を一軒ずつ回りながら支援を仰いだ赴任当時の思い出や、同胞児童らに民族名を名乗ることの大切さを伝えるために学校長とともに保護者を説得した体験など、民族学級の過去と現在を熱心に語った。

 この後、「学校・地域を豊かにする民族学級ー多民族・多文化共生教育」をテーマに同胞民族講師、保護者、日本人教諭らによるパネルディスカッションが行われ、「民族学級の成果は人生全般に関わってくる」「国際理解教育の一環として、常に日本人生徒を意識している」などの発言があった。

 最後に、大阪教育大学の長尾教授が、「民族学級はこれまでの同質化を求める日本の学校教育とある種の緊張関係を保ってきた。その違いを認めたうえで新たな関係を築いていくことが21世紀の学校改革につながる。民族学級は日本人の問題でもある」とまとめた。

(2001.02.28 民団新聞)



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