民団新聞 MINDAN
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「在日2世を町会長に」

住民の署名運動で実現



就任後初の役員会議で
(右端が会長の李さん)

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「あくまで住民の立場で役立ちたい」
日照権問題、消極的な前会長の後任として

 【神奈川】神奈川県横浜市神奈川区在住の在日韓国人2世が、一部住民の強力な後押しを受けて、このほど、地元松ケ丘自治会の会長に選ばれた。在日韓国人が推されて町内会長に選ばれる例はこれまでにも各地であるが、松ケ丘では住民が署名運動までして就任を求めた点で極めて異例だ。

 新会長に選ばれたのは税理士の李富鉄さん(51)。前会長に不信感を持つ近隣の住民8人が短期間に町内をくまなく回り、全世帯の約一割にあたる81世帯から推薦状を取った。なかには人事不介入の立場から署名しなかった住民も見られたが、李さんの就任に表立って反対する意見は皆無だったという。

 李さんは94年から松ケ丘に自宅を移した。転入に際して「地域の発展のためならなんでもやらせてもらう」とあいさつ回り。住民から「すごく前向きな人」との評価を得ている。

 事実、NTTが日照権問題を無視して社宅の建設を強行しようとしたときは、住民運動の先頭に立つなどして信頼を得た。

 逆に前会長はNTTの側に立ち、住民の意見に耳を貸すことはなかったという。NTTの撤退後は、跡地を買い取って町内会館を建てようとする意見も出たが、前会長は終始消極的な姿勢を見せ、結局、実現しなかった。その後、不明朗な自治会会計処理が明らかになったことで、前会長に対する不信の声が出ていた。

(2001.03.07 民団新聞)



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