民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
「21世紀対応」の民団作りへ

中央委員会・中央団長あいさつ



 21世紀最初の第54回定期中央委員会を迎え、同胞社会と本団組織発展のために尽力している中央委員の皆さんと、この間、惜しみない支援を頂いている顧問の皆さん、そして在日同胞に深い関心と配慮を頂いている崔相龍駐日大使に対し心より感謝申し上げます。


 組織一線で活躍している中央委員の皆さん!

 昨年は、歴史的な南北首脳会談実現、地方参政権獲得運動に対する公然たる反対の動き、同胞の経済基盤を支える信用組合の相次いだ破綻、在日同胞社会の将来に大きな影響を及ぼす出来事が立て続けに起こりました。


 大きな情勢変化に組織挙げ対処

 このような同胞社会を根底から揺さぶるような大きな情勢変化に、私たちは全組織を挙げて積極的に対応してきました。

 南北首脳会談の開催を受け、私は直ちに朝鮮総連に対し「前提条件なしに虚心坦懐に」対話することを呼びかけました。首脳会談は、全世界の人々と七千万同胞に、祖国の平和定着と統一への大道を切り開くものとして大きな希望を与えました。在日同胞社会でも対話と交流を通じた和合を進めようと、私は朝鮮総連に対話を呼びかけました。

 その結果、地方本部、支部単位では目を見張る活発な交流が朝鮮総連との間で行われました。このことは、同胞社会の和合を進めていく立場からも大きな成果だったと評価できます。

 願わくば、朝鮮総連中央がより積極的な対話への姿勢に転換することを強く期待したいと思います。

 地方参政権獲得という、私たちの正当な要求に対し、一部に「帰化制度の簡素化」で対応しようとの動きが顕在化しました。一部保守的な政治家らのこのような動きは、私たちの地方参政権要求運動の本質をはぐらかそうというものであり、本団としては到底容認できるものではありません。

 私たちは日本の政治状況を注視しながらも早急な立法化に向け、一部に出ている逆風を押しのけ全組織が一体となって引き続き、力強い活動を展開していかねばなりません。

 関西興銀、東京商銀をはじめとした、信用組合の相次ぐ破綻によって同胞の経済基盤が大きく揺らいでいます。圧倒的多数を占める中小零細な同胞企業の経営基盤を安定させるとともに、破綻信組の救済を視野に入れた、全同胞参与の新たな銀行の設立が早急に、そして切実に望まれているのです。

 本団は韓信協、韓商と一体となって新銀行作りに邁進しているところであり、中央委員の皆さんと全同胞の絶大な支援と参与を期待いたします。


 地方参政権獲得と新銀行設立へ

 親愛なる中央委員の皆さん!

 本日の中央委員会は大変重要な意味を持っています。

 地方参政権の獲得と民族金融機関の再編については、20世紀中に解決しようと鋭意努力してきましたが、諸般の事情により、残念ながら大きな負の遺産として21世紀に持ち越さざるを得なくなりました。

 私は、地方参政権の獲得と健全な新銀行設立を同胞社会の緊急にして最大の課題と位置づけ、この解決に全力を尽くしていく決意をこの場で改めて表明いたします。

 一方で、今中央委員会は「21世紀対応の民団作り」への本格的な取り組みへのスタート台としなければなりません。

 現在、本団は、同胞の日常生活に密着した活動と、同胞に奉仕する組織への具体的な対応が切実に望まれています。未来の同胞社会のあるべき姿を準備するため、本団は昨年、「在日同胞21世紀委員会」を発足させました。

 昨年の中央大会で皆様の絶大な声援を受け、団長に選ばれて以来、私は「同胞の目線」に立った組織作りの必要性を訴えかけてきました。

 その一環として昨年、組織の第一線で活躍している全国の支団長と一堂に会しながら、支部組織の実情をつぶさにお聞きしました。

 同胞との確固とした絆を維持しつつ同胞の参与を得て生き生きと活動している支部が多くある反面で、同胞との連携がうまくいかず苦悩している支部もありました。


 文化・教育的分野取り組み急ぐ

 本団は今後、新たな同胞社会の在り方を目指して「21世紀委員会」での論議を受け実行可能なものから着手し、支部相互間の連帯を強化しつつ、全国的な一体感と併せて同胞に奉仕する組織作りを目指していかねばなりません。特に、3世以下の世代が同胞の過半数を占めている今日、文化的、教育的分野での取り組みが強く求めらます。

 他にも今年の重要な課題として、昨年に引き続き朝鮮総連との対話・交流を広げ同胞和合を推進するとともに、来年に迫った2002年ワールドカップの後援事業を本格化しなければなりません。

 以上のように、緊急の課題に対応しつつ、長期的な展望に立って同胞社会の発展を期するため、本日の中央委員会が大きな契機となることを祈念し、あいさつに代えます。

(2001.03.14 民団新聞)



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