民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
21世紀の民族教育を見つめて

民族学校の現場から<27>



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音楽通じた民族心の自覚
安準模(建国高教師)

 本学院小学校では、20数年前より体育祭に小学生全員による農楽披露が行われてきた。カリキュラムにも組み込まれた週1回の特別活動の時間に練習を重ねる。一、2年生はソゴチュム(小太鼓踊り)、3年生はタルチュム(仮面劇)、4年生はプク(中太鼓)、5年生はチャンゴ(長鼓)、6年生はサンモ(農楽の帽子)と、一通りの楽器と踊りをこなせるようになっている。

 全員が授業として取り組むもので、今までに幾多のチャンゴ叩きや、太鼓たたきを世の中に輩出しているが、サンモを生徒全員で回しているのを見ると、何とも不思議な気持ちにさせられる。

 体育祭の当日は、午前の最後を締めくくることになっており、総勢百数十名の農楽隊は、他では類をみないスケールと迫力で、多くの観客を楽しませている。

 子ども達は、特に炎天下の運動場での練習は、本当につらそうである。しかし、いったん農楽のリズムが聞こえてくると、自然と手や足でリズムをとっている。

 昨年度、卒業生にワンコリアフェスティバルへの出演依頼があった。そこで有志を募って出演することになった。生野区の同胞多住地域にあるコリアタウンでのパレードと、隣接の小学校での舞台で農楽を披露した。

 同じ韓国系の金剛学園、北韓系の第四初級学校、御幸森小学校民族学級の児童達と初めて競演することとなり、盛大な観客の声援をうけた。そのときの感動が忘れられず、その後正式にクラブ活動として、「風物隊」が発足した。

 発足早々、いろいろなところから出演依頼が舞い込み、授業に支障の無いものに、出演していくことになった。順に挙げてみると、「第14回ワンコリアフェスティバル」、「本校第50回学芸発表会」、「韓日親善サッカーフェスティバルウェルカムパーティー」、「ウリマルイヤギ大会」、「光復55周年ワンコリアフェスティバル・プレイベント」、「大阪児童館異文化体験プログラム・韓国をたいけんしよう!」、「第2回日本・韓国・朝鮮歌曲を聞く会」、「ねんりんピック2000大阪」、「祖国解放55周年第15回ワンコリアフェスティバル」、「本校第51回学芸発表会」、「阪南市人権まつり2000」と、文字通り引っ張りだこであった。

 特に、11月のねんりんピック2000大阪では、全国から人が集まる大阪ドームでの開会式という本当に大きな舞台で、プロの方々と競演するという大きな責任を担った。出来るかどうか、質はどうかといろいろ心配もしたが、結果的にはとても大好評で先日、大阪府知事より感謝状を頂くことになった。

 最後に、児童の感想文を紹介したいと思う。


◇ ◇ ◇


 アンニョンハシムニカ?

 私は、建国小学校の6年生の李マシです。

 私の両親は在日韓国人3世で、私は4世になります。私や両親は生まれて一度も韓国に行ったことがありません。

 両親は、少しでも祖国の文化や歴史、言葉や風習などを私たちに知ってもらうため建国小学校に入学させたと言っていました。

 私は、今では少しではありますが言葉を覚え、いろいろな韓国の事を知る事ができ、この学校で学べて本当に良かったと思います。中でも今入っているプンムル隊はとても楽しいです。

 農楽は農民達が豊作を祈っておどるもので、小学校全員でおどるのでそれはとてもにぎやかです。

 5年生の時にクラブができたのですぐに入りました。練習や公演で遠くまで行って遅くなる時は、しんどいなと思いましたが、おどる時はその辛さなど感じる事もなく、楽しんでいます。これからもがんばっていきたいと思います。

(2001.03.28 民団新聞)



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