民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
地方参政権要求の声高らかに

各地で市民団体が集会



■□
街づくりを共に・愛知

 【愛知】「永住外国人の地方参政権法案の成立をめざして」と題したシンポジウム「外国人住民もまちづくりに参加する」(外登法問題と取り組む中部キリスト教連絡協議会主催)が12日、愛知県中小企業センターで開かれ、地域住民ら多数が参加した。

 発言者は愛知学泉大学教授のサイエド・ムルトザさんや主婦の朴和子さんら4人で、「地域で共に生活するすべての人々が参加できる住民参加の方向性」をテーマに活発な意見が交わされた。主催者側は「同じ地域に住み、暮らし、働き、納税する外国人を地域のメンバーとして受け入れ、ともにまちづくりを進めるためには外国人住民の声を反映させるシステムが必要である」とまとめた。

■□
賛否で討論集会・大阪
朝日21世紀関西スクエア

 【大阪】フォーラム「定住外国人の参政権」が4月27日、朝日21関西スクエアが主催し、朝日新聞コミュニケーションホールで開かれた。

 賛成派と反対派に分かれた討論のコーディネーターは、作家の若一光司氏が務めた。まず、反対派の荒木和博・拓殖大助教授が「反対の理由は、日本国籍がないから。選挙権の次は被選挙権、その次は国政参政権を要求する。堂堂巡りでいつまでも問題は解決しない。日本国籍を取得すればいい」と口火を切った。

 同じく反対派の洪祥進・朝鮮人強制連行真相調査団朝鮮人側事務局長は「時期尚早だ。年金や朝鮮学校への制度保障、入居差別など目の前の問題解決が先」と述べた。

 これに対して、賛成派の徐龍達・桃山学院大教授は「日本の差別状況を解決するため、25年前から参政権を主張してきた。日本国籍取得で差別が片付くわけではない。定住外国人が住める多文化共生の市民社会を日本に構築すべきだ」と反論。飛田雄一・神戸学生青年センター館長も「外国人も住民であるという事実が大前提。市会議員の定数は、外国人を含む国勢調査で決まっているし、地方自治法にも住民が長を選ぶと明記しているのに、市政に意見を反映できないのは不合理。外国籍住民の参政権を論じているのに、帰化を持ち出すのは問題のすりかえ」と批判した。

 会場の2世の障害者は「帰化しても仲間は年金を支給されなかった」と発言。日朝協会に属す日本人からは、「戦前の中央集権的な政治ではよくないとの反省から、地域の問題は住民が解決すると戦後の憲法で決められた。この問題は外国人の権利を守るだけでなく、日本の民主主義を守ることだ」と声があがった。

(2001.05.16 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ