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民団、全在日同胞の銀行設立へ

「平和銀行」(仮称)基本計画を発表



「平和銀行」(仮称)設立推進計画を発表する
(右から)金宰淑・推進委員長、
鄭進・設立推進本部長、崔相龍・駐日大使

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推進本部、300億円の出資募集
9月開業・本国政府も支援へ

 全在日同胞の力量を結集して設立する仮称・平和銀行の銀行設立基本計画が7日発表され、6月中に300億円の出資を募り、9月末の開業を目標とするスケジュールを明らかにした。平和銀行は、「全在日が参加する全在日のための銀行」を目指すことを基本理念に民族金融機関が果たしてきた役割、理念を継承したうえで、質の高い金融サービスの提供に向けて、民団を中心とした全同胞の力と本国政府の全面的な支援を受けて設立されるもので、当面は破綻した韓信協会員組合の受け皿銀行をめざす。

 都内のホテルで行われた記者会見によると、平和銀行は6月中に在日同胞をはじめ広範な層から300億円の出資を募り、金融当局から認可を受けて9月末には業務を開始する方針。

 設立時の資本金は300億円とし、その後も出資を募りながら発足後2年から3年で1000億円の自己資本を目指す。

 発足後、当面は破綻した関西興銀と東京、福岡、京都などの商銀の受け皿銀行として事業譲渡を受け、当該地域の在日同胞企業の資金調達を図っていく。設立時の主要な営業エリアは東京と大阪にし、順次全国に拡大していく方針。また、人材については、国籍にかかわらず銀行業務に明るい人材を登用していく。

 同銀行の推進主体は、先の民団の全国団長会議で設立された在日同胞の各界各層から構成する銀行設立推進委員会(委員長=金宰淑民団中央本部団長)。そして、推進委員会と韓国大使館が協議のもと、銀行設立推進本部(本部長=鄭進長野商銀会長)が置かれ、銀行設立に関する一切の実務を行う。

 また既存信組とは、(1)ペイオフ解禁後の信用力補完(2)人的・資本的関係の強化(3)業務提携―などを通じて協調・共生を図ることで既存信組の信用力強化に寄与できるとしている。

 崔相龍駐日大使は、「銀行設立は在日同胞の利益の問題である。必ず成功すると確信し、政府としても支援していきたい」と本国政府の全面的な支援を約束した。

 金推進委員長は「今求められているのは、在日同胞社会の経済基盤の強化に向けて新たな銀行を設立することであり、そのために在日同胞社会の全力量を結集することだ」と強調した。

 また鄭本部長も「在日同胞社会の健全な金融機関の設立は全同胞の望みであった」と強調しながら「在日の在日による在日のための銀行」への協力を呼びかけた。

 資本金に関しては、今月中旬から各地区ごとに説明会を開催し、在日同胞だけでなく幅広い層から出資を募る方針を明らかにした。

 この間、民団は韓信協が進めていた会員組合の合併・統合による普通銀行転換の動きを支援してきた。しかし、韓信協自身が自らの構想では韓日両国政府の理解を得るには困難な状況にあると認識し、自主的に方向転換することを決議した。

 今回の平和銀行は、全く不良債権のない新規銀行として誕生することから、本国政府の支援を取り付けることができた。

(2001.06.13 民団新聞)



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