民団新聞 MINDAN
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「在日同胞の全力量結集しよう」

金宰淑中央団長が銀行設立へ呼びかけ



 昨年12月、これまで韓信協(在日韓国人信用組合協会)会員組合を牽引してきた関西興銀、東京商銀が破綻するという未曾有の危機的な状況に際して、韓国民団は韓商連(在日韓国商工会議所)、韓信協と一体となって、全同胞的な新たな銀行を設立することで合意しました。

 民団は、昨今の会員組合の相次ぐ破綻に対して、その組合の出資者、預金者のほとんどが在日同胞であることを踏まえ、破綻組合員である中小同胞企業の資金繰りのひっ迫さによる連鎖倒産の深刻な事態の現出が憂慮されるという現状認識に基づき、韓信協が推進する既存組合の合併・普銀転換を積極的に支援するため、韓日両国政府へ強く働きかけをしてきました。

 しかし、韓信協自身がこの構想では昨今の金融改革の流れのなかで、韓日両国政府の理解を得るには困難な状況にあると認識し、自主的に方向転換することを決議しました。

 この決議を受け、民団は来年4月からのペイオフ解禁、また在日同胞社会が中小零細企業が圧倒的多数を占める現況に鑑み、同胞企業の経営基盤を安定させる全同胞が参与する強固な民族金融機関を構築することが緊要との認識から、新たな銀行構想を中央執行委員会の決議のもと、5月11日、「全国地方団長及び中央傘下団体長会議」で提示しました。

 この新しい銀行は破綻した信組の事業譲渡、並びに既存組合の保護を視野に入れた規模のものであるばかりでなく、同胞経済活動を支える金融の国際化と自由化という新しい時代に対応したものでなければなりません。

 ご承知の通り、民族金融機関は苦境にあった同胞の経済活動を立ち上げ、生活の安定をもたらすべく設立されました。そして、在日事業者への資金供給源としての役割を果たし、同胞零細企業を支えてきたのも事実であります。従って、在日同胞社会にとって民族金融機関は必要不可欠であることは論を要しません。40数年前に、あの逆境の中で日本各地に信用組合を作り上げてきた先輩たちの努力に習い、我々も今、新たに強固な金融機関を作り上げなければなりません。

 今求められているのは、在日同胞社会の経済基盤の強化に向けて新たな銀行を設立することであり、そのために在日同胞社会の全力量を結集することであります。更に、本国政府(韓国)の積極的な支援と、日本金融当局の理解と協力がなければなりません。このことを切に要望する次第であります。併せて、在日同胞ばかりでなく、日本の関係各位のご理解とご支援を望むものであります。

2001年6月7日

(2001.06.13 民団新聞)



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