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扶桑社版教科書を批判

日教組が『教科書白書2001』発刊



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8社の記述内容を分析、際だつ特異性を浮き彫り

 日本教職員組合(日教組)はこのほど、2002年度から使用される8社の中学歴史・公民教科書を比較・分析した「教科書白書2001』を発刊した。「地域に開かれた学校づくり」「人権の尊重」「国際連帯の教育」といった日教組の基本的な立場、そして文部科学省の中学校学習指導要領に照らしながら扶桑社版教科書の記述内容を批判している。

 古代近隣諸国との関係ではこれまで韓半島から当時の進んだ文化が日本に伝えられたという記述で一致してきた。ただ、扶桑社版だけはこうした視点を極力排除している。『白書』は「律令国家の出発」の項で「新羅が独自の律令をつくろうとせず、年号は唐の年号を強制された」との記述を取り上げ、「著者らの持つ韓国・朝鮮に対する蔑視感が露呈している」と指摘した。

 また、近現代でも扶桑社版記述の特異性を浮かび上がらせている。韓国併合にふれた他社が植民地支配の残虐性について支配された者の立場から「不十分ながら最低基準の内容が記載されている」のに対し、扶桑社版は「併合」について国際的に認知され、しかも合法だったとの立場に立つ記述だった。『白書』は「現段階で合法と見るのは無理」と指摘。植民地支配に実態について踏み込んだ記述のない扶桑社版教科書を遠回しに批判している。

 『白書』は定価800円。日本教育会館1階のアドバンテージサーバーで販売している。

 問い合わせは電話(03)5210―9171まで。

(2001.06.20 民団新聞)



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