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総連中央は同胞の願いに応えよ



 あの南北首脳会談から1年がたちました。祖国分断から半世紀を超えての首脳同士の握手と抱擁は、わが民族のみならず全世界の人々に感動と希望を与えました。

 金大中大統領と金正日国防委員長の歴史的な会談によって合意された共同宣言は、南北の和解と統一を謳い上げた画期的なものでした。


■共同宣言は和解の契機

 最近に至って南北間の対話と交流が足踏み状態になっていますが、残念なことと言わざるをえません。同宣言の実現に向けて北韓政府の誠実な対応が望まれます。

 離散家族の感動的な再会や韓国政府の北韓に対する人道的支援、板門店での北韓による非難放送の中止などによって、南北間には和解に向けた大きな契機が作られました。

 韓半島の平和定着と統一に向け、今もっとも望まれているのは、共同宣言にも明記されている金正日国防委員長の一日も早い韓国訪問です。

 南北首脳会談は在日社会にも大きな影響を与えました。民団中央は総連中央に対し、会談の精神を生かし直ちに「前提条件なしに虚心坦懐に」対話することを提議しました。

 昨年の地方本部・支部での総連との交流は、親睦会や敬老会、花見をともに開催したり、日本の市民祭りに共同で参加するなど全国で実に200件を超えました。

 これは過去10年間に行われた交流実績の累計を優に上回るもので、同胞がいかに相互交流を望んでいたかを如実に示す数字だと言えます。

 首脳会談から1年たった今も、地方本部・支部単位での交流は引き続き活発に行われています。

 過去の敵対関係を克服し互いを対話の対象と見なし、同胞としての情愛を確かめあいたいとの気持ちの表れと見ることができます。


■和合に中央対話は不可欠

 中央本部単位での対話は、民団の呼びかけに総連が一旦は応じてきたものの、昨年9月の対話を最後に連絡すら途絶えているのが実情です。

 双方の代表者による常設の機構を設置し互いの関心事項を具体的に話し合おう、との協議までしていながら、それ以後総連中央からなんらの返事もないことを大変遺憾に思います。

 同胞社会全体の和合を推進するためには、なんと言っても中央本部相互の対話が必要不可欠であるのは自明のことです。

 総連中央は5月に行った第19次全体大会の報告で、南北共同宣言の履行のために活動していくとしていますが、同胞社会の交流と和合にまず努めることこそが同宣言の精神にかなうものだと自覚すべきです。

 総連中央は、民団との対話を通じて同胞社会の統一に向けた努力をすべきです。それこそが同胞の願いなのです。

(2001.06.20 民団新聞)



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