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韓国映画ブーム反映

福岡アジア映画祭で5作品



「ハル(1日)」(上)と
「全人類に平和を」の1シーン

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女性監督の作品にも注目

 第15回福岡アジア映画祭が7月7日から15日まで福岡市の天神岩田屋ジーサイド・NTT夢天神ホール、博多リバレイン・福岡アジア美術館・あじびホールの2会場で開催される。今回は韓国、中国、香港、マレーシア、インドなど8カ国の全16作品が上映され、韓国からは2人の女性監督を含む日本初公開の5作品が紹介される。

 今回上映される韓国映画5作品の中で一押し映画は、今年1月、韓国で感動の傑作としてヒットしたハン・ジスン監督の「ハル(一日)」。

 出演は「アタック・ザ・ガス・ステーション」などで人気上昇中のイ・ソンジェの最新作。

 結婚6年、子どもに恵まれない夫婦は、人工授精を行うが生まれた赤ん坊は難病を抱えていた。シリアスな内容だが、夫婦愛をストレートに描き共感を呼んだ話題作。

 短編映画を制作したイ・スヨン監督の「ゴーグル」とチョン・ソヨン監督の「解剖教室」は女性監督の作品として注目される。イ監督は今年、長編劇映画での監督デビューが予定されている。

 ほかにイ・ヒョンスン監督の「イル・マーレ/時を超える愛」、イ・ソックン監督の「全人類に平和を」も上映される。会期中、ハン・ジスン監督、イ・ヒョンスン監督らのゲストを予定している。

「ゴーグル」の1シーン

 同映画祭は87年のスタート以来、毎年上映する映画総数は平均15本から20本。その中で韓国映画は「昨年からブームになっている」と話すのは、実行委員会の前田秀一郎さん。

 昨年大ヒットした「シュリ」効果も手伝い、平均1、2本の上映だった韓国映画も昨年は、韓国版「マトリックス」ともいえるイ・ミョンセ監督の「情け容赦なし」、小学校に赴任してきた若い教師に恋心を抱く女子児童を描いたイ・ヨンジェ監督の「我が心のオルガン」、韓国映画を守るために1000人以上の監督や俳優などが街頭デモを行った様子をおさめたチョ・ジェホン監督のドキュメンタリー「太陽を射て!/韓国映画人が熱く燃えた日」の3本を紹介した。

 同映画祭の位置づけについては、現在、日本各地で規模を問わず、映画祭が開かれているが、その中でも特に「アジアをテーマにスタートしたのは福岡アジア映画祭」だと前田さんは語る。

 同映画祭には毎年、釜山から映画の勉強のため、監督をはじめとする映画関係者などが多数訪れているという。これら映画関係者らによって立ち上げられたのが、96年からスタートした釜山国際映画祭だ。今やアジア最大規模級の映画祭として位置づけられている。アジア映画祭の「草分け的存在」である福岡アジア映画祭がもたらした波及効果は大きい。

 福岡映画祭で上映されるのは、各国での話題作、そして若い監督中心の作品がメーンになる。

 前田さんは、「映画祭をきっかけにしてほかの国に知られ、世界的になっていくケースがある」と話す。中国の張元監督の場合、インディペンデント系の作品であったため、中国では上映禁止になっていたが、毎年作品を取り上げていたところ、アメリカ、ヨーロッパなどで認められ、今や人気の高い監督として知られるようになった。

 前田さんは「実際に会場に来れない人も多いが、インターネットの普及によって、映画情報をたやすく流すことができるようになった。アメリカからアジア映画に関する問い合わせも多く、情報を流して自国の映画祭で紹介するケースもある。今後も橋渡しをしていきたい」と話す。


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 特別前売り券‥1作品券1400円、5作品券6000円、10作品券1万円。当日1作品につき一般1800円、大学1500円、中高・シニア60歳以上1000円。小学生以下無料。チケットぴあ、福岡市内有名プレイガイドほかで発売中。 問い合わせは、同映画祭実行委員会(092―733―0949)、ホームページは‥http://www2.gol.com/users/faff.html



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