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地方選挙権実現は歴史的使命



 同じ都民である外国人住民が参加できない都議選が終わりました。小泉人気が沸き立つ中で、国会は29日に閉会します。永住外国人の地方自治体選挙権法案は、昨秋の臨時国会で採決の段階にまで至ったにもかかわらず、今国会で審議すら行われませんでした。反対勢力の違憲であるという事実誤認と間違った情報を氾濫させ、「在日」の存在を認めようとしない一部保守派に一定の水位で浸透したからです。


■自信持ち、運動継続しよう

 意見書採択は無視され、成立させるとした与党3党合意の信義は地に落ち、国会の責任もまた問われています。

 後退したかのような印象を与えていますが、私たちの地方参政権獲得運動の正当性はいささかも失われていません。希望と自信を持って、私たちの住民としての願いを貫徹させましょう。

 その意味で私たちは、北海道から沖縄まで全国各地から4000人が日比谷に参集した、「永住外国人に地方選挙権を!6・5全国決起大会」の大きな意義を常に想起していきましょう。

 その日、各政党の臨席と多くの賛同団体の参加の中で、私たちは永住外国人地方選挙権法案の継続審議に対する強い抗議の意を内外に示しました。

 あわせて、次期国会での立法化を強く要望する国会請願と市街へのデモ行進を行い、私たちの強固な意思を日本社会に広く訴えました。

 私たちはこれ以上、黙っているわけにはいきません。

 地方参政権獲得へ向けて、参集した同胞たちの怒りのこもった熱気と期待は終始大きく圧倒的でした。私たちはあらためて大衆行動による意思の統一と本団組織の底力を確認しました。


■より良い社会実現のため

 私たちの運動によって、この数年来、外国人住民の地方参政権問題は、内外の世論を大きく喚起し、今や私たち当事者だけの問題ではなくなりました。

 日本の果たすべき国際化、外国人との共生というグローバルな時代を迎えた、これからの日本国家のあり方が問われているものであります。

 したがって、広く日本社会、日本人自身が共に解決していかなければならない大きな課題となっています。

 このたびの採決の見送りは、日本の真の国際化にブレーキをかけるものであり、民主主義の成熟した「開かれた社会」を希求するすべての外国人住民と良識ある日本市民を失望させるものです。私たちは決起大会で、これ以上の先送りをせず、次期国会で必ずや法案が成立するよう、各政党の真摯な取り組みと賢明なる処置、そして立法化への固い確約を強く求める決議をし、国会に伝達しました。

 地方参政権の実現は、この社会にある無理解と偏見を乗り越え、より良い社会を実現するために必要なものです。同時代の私たちの果たすべき歴史的役割なのです。

(2001.06.27 民団新聞)



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