民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
政令都市公務員採用の国籍要件

緩和へ大勢決まる



 定住外国人の地方公務員採用に向けて、国籍要件緩和措置をとる政令指定都市が全国に広がっている。26日現在、制令指定都市12のうち「未実施」は千葉市、北九州市、福岡市を残すだけとなった。この3都市も門戸開放を前提に検討を急いでいることから、国籍要件緩和の流れはほぼ定着したといえそうだ。

 外国籍住民に一般職の門戸を開いたのは96年の川崎市が最初だった。実定法の規定にない「当然の法理」によって消防職の採用、並びに182職務とラインの局部課長の任用に制限を設けるという不十分な撤廃措置だったが、一般職が開放されたことで外国籍住民の職業選択の余地が広がったことは確かだった。

 川崎市の一般職開放については当時の白川勝彦自治相も「自治体の裁量で制度面でも運用面でも工夫し、外国人の採用機会拡大に努力いただきたい」(96年11月22日)と後押したため全国に波及していった。

 翌97年から00年にかけては大阪市、神戸市、横浜市、札幌市、仙台市、広島市と続き、さらに今年5月には京都市の「厚い壁」も開かれた。「今後もこの流れは止まらない」というのがこの間、運動に携わってきた市民団体の一致した見方だ。

 残るは千葉市、北九州市、福岡市の3市だけ。

 福岡市では「日本会議福岡」から「国籍要項堅持」を求める請願が出され昨年1月から立ち往生が続いている。ただし、公務員採用の国籍要件撤廃は市長自身の公約だけに門戸開放は時間の問題と見られている。

 北九州市でも「各職について、法的に制限をかける業務に値する職務か否かを確認しているところ」(北九州市総務局人事課の話)だという。千葉市でも「採用しても昇格・昇任の段階で外国人を制限することになる。そこらへんを調整しないと」(人事委員会の話)と話しているが、これも門戸開放が前提となっている。

 政令指定都市での門戸開放の動きは大きな流れとなっており、「大勢は決した」といえそうだ。

(2001.06.27 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ