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韓国訪問の年で日本人客倍増

歴史・文化ツアーが人気



専門解説者付きの
文化探訪ツアーも人気だ

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「もっと韓国を知りたい」

 「もっと韓国を知りたい」というニーズにこたえ、日本の旅行会社では従来の「食・遊び・ショッピング」に加え、歴史や文化に比重を置いたさまざまなツアー商品を打ち出している。今年、「韓国訪問の年」を迎えた韓国では各自治体で多彩な文化イベントを実施、韓国文化に触れる絶好の機会でもある。今年の夏は、一味違ったツアー商品を探し出し、奥深い韓国を知る旅を味わうのも楽しいかもしれない。

 ジャパンコムツーリストは陶磁器を実体験できるツアー。韓国陶磁器と朝鮮古陶磁の研究に生涯を捧げた浅川伯教と共に窯跡調査を行う一方、朝鮮の木工芸の調査研究を深め、朝鮮民族美術館の設立や民芸運動の創始に尽力した弟の浅川巧、そして日本民芸運動の創始者・美学者の柳宗悦の足跡を訪ねる旅のツアーを97年から毎年実施している。


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専門講師の解説付きで陶磁器体験や史跡巡り

 同ツアーは、97年度の韓国観光公社商品企画賞で企画賞を受賞している。ツアーには講師として毎回、柳宗悦と浅川兄弟の研究者で知られる津田塾大学の高崎宗司教授が同行、より深く内容を理解してもらうとの配慮から現地講師とのコンビによる案内をはじめ、資料の配付なども行うなど、人気のツアーとなっている。

 ツアーでは毎回、窯元見学をはじめ独立運動発祥の地のタプコル(旧パゴダ)公園、安重根義士記念館、閔妃暗殺追悼碑など、韓日の琴線に触れる史跡を選定して見学する。参加者層は学校の教師や陶磁器愛好家が多いという。


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韓国は日本の文化の故郷

 同旅行者・販売企画室長の八文字保夫さんは「日本人が学校で教えてもらっていない部分を紹介したい。韓国は日本の文化の故郷だという事実を知ることで、お互いに仲良くなれるのでは」との思いを語る。

 また、同旅行社では、旅行客の希望を取り入れ、他社にはない特徴を位置づけた少人数による「手作りツアー」の企画や、99年に韓国の安東市町から感謝杯が贈呈された「安東マスクダンスフェスティバル参加と新羅の古都・慶州の旅」など、韓国の歴史・文化に焦点を当てた多彩なツアーに力を注いでいる。

 一方、九州旅客鉄道(JR九州)は、99年から歴史探訪シリーズ「文禄・慶長の役」(壬辰倭乱・丁酉再乱)を手がけている。「文禄…」は昨年1月、韓国観光公社商品企画賞で大賞を受賞した。

 ツアーの特徴は、歴史の史実を韓日の公平な立場から学ぶカルチャーツアーとして位置づけされている点だ。


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観光や食事では満足できぬ

 文禄慶長の役専門博物館の日本側・名護城博物館と韓国側・晋州博物館の資料と専門研究員などの解説や司馬遼太郎著「街道をゆくシリーズ-韓のくに紀行」に登場する証人の講義や、韓国側に投降した日本武将「沙也可」の14代目子孫、金在徳氏の講演など深みのある内容になっている。

 参加者の大半は年輩者で、職業は大学教授、学校教師、公務員などが9割を占めるという。JR九州旅行事業本部では「韓国の観光や食事で満足していない人がセン在的にいたと思う。今後も歴史や文化に重みを置いた商品を手がけていきたい」と話す。

 JR九州では、昨年5月から「文禄…」の続編ともいうべき、「朝鮮通信使の足跡と文化を訪ねる友好の旅」をスタートさせたほか、「日本文化のふるさと」といわれる百済王朝ゆかりの地、扶余、公州、順天などを訪ねる「韓のくに紀行」などのツアーもある。


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韓国3大寺院と韓国伝統文化体験

 ほかにも、JTBワールドの「韓国3大寺院と韓国伝統文化体験/慶州・光州・釜山」は、松広寺、海印寺、通度寺の観光と釜山女子大学で韓国茶道と民俗衣装を体験するツアー。

 朝日サンツアーズは、晋州城、華厳桜、内蔵寺、金山寺などを巡る「古の都・韓国の名刹を巡る旅」や、ユネスコに認定されている韓国の世界遺産6カ所を訪ねる「新世界遺産追加記念-韓国世界遺産を巡る旅」を紹介している。

 ジャパンコムツーリスト(03-3982-2641)、JR九州(092-474-1377)、JTBワールド(03-5338-1600)、朝日サンツアーズ(03-3535-7788)。

(2001.07.04 民団新聞)



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