民団新聞 MINDAN
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頑張れ!小さな命



 先日、親子の飼い犬が何者かのエアーガン襲撃によって、親犬は失明、子犬は片目を失明するという痛ましい事件があった。動物に対する惨たらしい虐待事件を耳にするたび、言葉にならぬ怒りが込み上がる。 

 生い立ちは不明。路上で〓死の状態でいたところ、ある男性に助けられ一命を取り留めた。毎日、薄暗い部屋の片隅で、鳴き声もあげずに、ただじっと座っていたという。後に分かったことだが、頭部の一部が陥没していた。

 何かの縁だろう。その子と暮らし始めて約3週間が経つ。か細い声を発しながら甘える仕草も板についてきた。ある日、腹部の膨らみが気にかかり、抱きかかえて病院に飛び込んだ。「こんなに小さな子が珍しい」と告げられた病名は尿道結石だった。

 自力で尿が放出できず、放っておけば命に関わると即刻、尿道に管が入れられた。そしてもう一つ気にかかることは、頭部が傷ついているため、今後障害が出る可能性が高いということ。生後約3カ月の間に災難に見舞われた子猫だ。

 一週間に1、2度、突然体を硬直させ、苦しげな唸り声を上げることがある。理由はまだ不明だが、後遺症の一種かもしれない。何故、頭に傷を負ったか知る由もないが、目の前で小さな命が懸命に闘っている。抱き上げた時の温もりと、全幅の信頼を託すような瞳を見るたび、「命の尊さ」という言葉が響いてくる。(U)

(2001.07.11 民団新聞)



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