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「朝鮮人に仕事させない」

奈良の建設組合長が暴言



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民団奈良の抗議で謝罪へ

 【奈良】奈良県吉野郡川上村建設組合の前組合長が組合員の在日同胞土建業者、朴喜鳳さん(80)=民団奈良県本部顧問、朴本組代表=に対して差別的な発言をしていたことが明らかとなった。事態を重く見た民団奈良県本部(李道永団長)は21日、同本部で支団長執行委員会を開き、引き続き各市町村の建設関係各機関に問題提議していくことを決めた。

 朴さんら関係者の話を総合すると、差別発言が出たのは6月1日から2泊3日の日程で行われた伊豆・横浜方面への慰安旅行でのこと。前組合長は2日未明、朴さんらが就寝中の部屋に入ってきて「朝鮮人や韓国人がおるために日本人には仕事が少ない」「おれが組合長をしている限り朝鮮人のお前に工事の指名をして仕事をさせることは絶対ない」「韓国に帰ったらええ。それでなかったら皆たたき殺す」と脅かしをかけたという。

 朴さんは怒りと悔しさを押し殺しながら「韓国には帰らない。だったら殺してくれ」というのが精一杯だった。思い悩んだ末、6月末に朴さんは脅迫容疑で吉野署に告訴状を提出、身辺保護を願い出た。民団奈良県本部でも今月6日、「在日同胞全体に向けられた差別問題であり、人権侵害」との判断のもと奈良県建設組合、土木事務所など関係機関8カ所を訪れ、抗議文書を手渡した。

 前組合長は14日開かれた組合の臨時総会で「迷惑かけた」と今年1月から務めていた組合長を辞任、朴さんに対しても村長を通して謝罪したいとの意思表示をしている。奈良県土木部と林務部からも13日、民団県本部に対して「人種差別がないように研修会を行う」との考えを表明した。

(2001.07.25 民団新聞)



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