民団新聞 MINDAN
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名称は「ドラゴン銀行」

在日同胞新銀行、10月開業めざす



設立発起人会後の記者会見で
説明する金宰淑団長
(右・共同代表)、韓昌祐韓商連名誉会長
(中央・発起人総代)
鄭進・銀行設立推進本部長(左)

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設立発起人会開く
近く金融庁に申請、破綻信組の受け皿に

 在日同胞の在日同胞による在日同胞のための初の銀行の名称は「ドラゴン銀行」とし、設立当初の資本金総額は300億円で、本部機構を東京と大阪に設置、10月中の営業開始を目指す。設立と同時に広く同胞社会から出資を募り、2006年3月期には資本金規模1000億円を目指し、経営基盤のいっそうの安定化を図る。7月30日に東京で開かれた平和銀行(仮称)設立発起人会で新銀行の定款が決まり、記者会見で、大綱が発表された。

 銀行設立発起人会後にもたれた記者会見には、発起人総代の韓昌祐・韓商連名誉会長、共同代表の金宰淑・民団中央本部団長、鄭進・銀行設立推進本部長の3人が臨んだ。

 韓・発起人総代は、(1)新銀行の名前が「ドラゴン」となった由来は、韓国のことわざで「龍が天に昇る」ことと「ドラゴン」の「ン」(運)がつき運勢がいいため(2)本店は東京都中央区に置く(3)設立発起人の総数は15人、出資金は176億円で、開業時までに300億円とすると説明した。

 この後読みあげた「発起人総代談話」で、「2002年4月からのペイオフ解禁を控え、長期化する不況により、これまで以上の優良資産の流出や不良債権の増加が予想され、健全経営を続ける在日韓国人信用組合においてもマーケットから信頼を得るための後ろ盾の構築が緊急の課題となっている」と強調。「在日韓国人信用組合の存亡の危機に際し積極的に対処すべく、在日韓国人有志と韓国民団および在日韓国商工人が中心となり、全在日の力量を結集した新銀行の設立を計画し、本日そのための発起人会を開催する運びとなった」と明らかにした。


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経営体制・執行役員制を導入

 新銀行設立後は破綻した関西興銀、東京商銀、福岡商銀、京都商銀の経営基盤を引き継ぎ、営業を行っていく。同時に、健全経営を続ける在日韓国人信用組合の信用力を補完し、在日韓国人経済を中心とする地域経済での金融システムの安全性を確保していくことを「最大の使命」としている。

 経営体制については、国際基準に照らし欧米の金融機関などが広く採用している執行役員制度を導入。企業経営や金融問題について経験豊富な人材を登用し、経営の意志決定プロセスの透明性を確保する。同時に取締役と、執行役員とを区分、資本と経営の分離を明確化し、取締役会の強化と経営の効率化を図る。

 また人的構成においては、破綻信組の職員から優秀な人材を最大限引き受け、ほかに国籍や学歴にとらわれることなく、専門知識を持つ人材を登用したいとしている。


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民団・全同胞参加の銀行めざし
「1人1株運動」、展開へ

 共同代表の金民団中央団長は、「韓国政府の全面協力と日本政府の理解により、きょう発起人会を持った。新銀行は破綻信組の受け皿であり、既存信組の信用力を補完し、在日同胞の経済活動を積極的に支援する」と指摘。「全同胞の参加による全同胞のための銀行へ1株運動を展開する」と改めて強調した。

 記者会見では、発起人の構成について、在日の経済人が中心で、5億円から20億円の出資者からなっている、と明らかにされた。

 現在発起人15人の出資金と発起人ではなく出資を表明している人の分まで合わせるとすでに200億円を超えている。それに韓国政府の支援を含めると、設立時の資本金300億円の確保は問題ないとしている。

 金融庁への申請は、近日行うことにしている、という。

(2001.08.01 民団新聞)



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