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めざせ!高校韓国語1種免許

正規教員増へ文科省が認定講習



東京の神田外語学院で
始まった認定講習

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非常勤講師の身分安定に朗報
3年、24単位履修で資格獲得

 正規の免許状を持たず日本の高校で韓国語の授業を担当している教員を主な対象とする「認定講習」が7月30日、東京の神田外語学院を会場に始まった。受講生は3年間で韓国語の高校1種免許取得に必要な科目を履修できる制度で日本文部科学省の認定済み。高校における韓国語教育のすそ野を広げるものと期待されている。

 同制度は高等学校で韓国語教育に携わる全国の教職員でつくる「高等学校韓国朝鮮語教育ネットワーク」が関係機関に働きかけてきたもので、今春になって神田外語大学と天理大学の2校での実施が正式に決まった。

 神田外語大学では7月30日から神田外語学院で韓国語科教育法4単位の特別講習を始めた。24人が受講登録しており、8月4日まで行われる。引き続き8月20日から25日までは韓国語学概論4単位が予定されている。来年度から再来年度にかけては「異文化理解」など8単位相当の科目を用意、3年で教育職員免許法施行規則に定める24単位すべてを履修できる仕組みだ。同じく天理大学でも今年は8月4日から12日、22日から31日までの2回に分けて行う。

 文科省の調べによれば、第2外国語として韓国語(朝鮮語)の授業がある学校は全国の公立、私立高校あわせて約130校にのぼり、約4000人が学ぶ。実施校を見ると臨時教育審議会の最終答申で中高校における外国語教育の多様化が提案された80年代後半から国際理解のためにと急増している。来年度からは大学入試センター試験に「韓国語」が正式に導入されることから、韓国語の学習熱は高まってくるものと見られている。

 これに反して、教育現場ではいまだに正規の韓国語教員免許取得者が絶対的に少ない。他教科の免許状を持つ現職教員が教えたり、臨時免許状を所持する在日同胞が非常勤講師などの不安定な身分のまま教壇に立つという例も目立つ。このため、97年に一度は「韓国語会話」を1年生全員に導入すると決めながら、「朝鮮語の免許を持つものがいない」ため、クラブ活動の時間に類した扱いの「学校裁量の時間」としたという公立高校も熊本県であったという。

 韓国語の教員免許取得に必要な単位を修得できる大学は、いまのところ全国に5大学しかない。「認定講習」制度の実現は、非常勤講師の不安定な身分解消に役立ち、高校における韓国語教育の拡大につながると考えられている。

(2001.08.01 民団新聞)



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