民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
肩組み「アプロ」を大合唱

オリニ、本国児童とも交流




キャンプファイヤーを囲んで元気に踊るオリニたち

「これほしい!」南大門市場で時計や
アクセサリーに見入るオリニたち
(ソウル市内オリエンテーリングで)

オリンエンテーリングでは
外国人兵士との交流も見られた

初めて訪問する韓国の小学校で本国の児童と
一緒に工作を楽しむオリニたち

■□
泣いた、笑った韓国での5日間
一体感に包まれたキャンプファイヤー

 23日から京畿道龍仁市の陽智パインリゾートで開かれていたオリニ・ソウルジャンボリーに全国から参加した在日同胞のオリニ325人は、4泊5日の期間中、多くの仲間と友達になると同時に母国の滞在を楽しんだ。最終日のキャンプファイヤーで多くのオリニが涙を流して別れを惜しむ姿に、保護者やスタッフも改めてオリニ事業の大切さを感じたようだ。

スタンプめざし、ソウル市内走り回る

 ソウル市内に設けたチェックポイントを通過しながら市内を自由に散策するオリエンテーリングは24日に行われた。
 どのコースを通るかは、前日に各班のオリニを誘導するリーダーとオリニたちが協議して決めた。
 出発地の戦争記念館をでたオリニたちは、まず地下鉄で明洞か南大門へ移動した。初めて乗る地下鉄では、本名が書かれた名札を見ていた乗客から声をかけられ、ちょっと恥ずかしげな表情。
 炎天下をものともせず、自分たちだけで食堂を探してメニューを指さしながら「イゴ、チュセヨ(これください)」とリーダーからならい覚えたウリマルを駆使しながらワイワイと昼食をとった。南大門では「アジュンマ、カッカジュセヨ(おばさん、おまけしてよ)」と値切るオリニを見て、各自が付けている名札からオリニが在日同胞3世4世だと知って頭をなでながら大サービスするアジュンマもいた。
 出発から6時間をかけて景福宮横の民団本国事務所前のゴールにたどり着いたオリニたちは、民団中央本部の金団長からゴール証明と記念品をもらってニッコリ。「アイスクリームを食べなさい」ともらった“ご褒美”に「コマッスムニダ」と笑顔を見せた。

本国の児童と手つなぎ交流

 今回のメイン企画とも言える本国小学校訪問では、3校から暖かい出迎えを受けた。
 中央大学付属初等学校を訪れたオリニ95人と保護者は、同校児童オーケストラによる「故郷の春」で出迎えられた。合唱コンクールで大賞を受けた合唱団の美しい歌声にオリニたちもびっくり。
 同校の児童が横に並び、手をつなぎながら教室へ向かい、給食を共にした。午後からは韓紙で飾った宝石箱を共同作業で作った。最初は言葉も通じず、緊張していたオリニも、身振り手振りで工作を完成させる内にすっかり仲良くなり、休憩時間にはコンギ(石おじゃみ)を一緒に楽しんでいた。
 校庭に出て、ソゴ(小鼓)をたたきながらの遊戯にも初挑戦。初めてたたくソゴにもなれ、本国の児童と一緒になって楽しんだ。最後は別れを惜しみながら「故郷の春」「アプロ」を合唱した。別れ際、涙を流すオリニの姿を見て、保護者も感激を隠せなかった。
 一方、142人のオリニが訪れた盤浦初等学校でも校門に歓迎のアーチが飾られるなど歓待を受けた。少しでも在日のオリニに母国を感じてもらおうと女性の先生は韓服を着用するなど配慮も見せた。
 2班に分かれ、一緒に工作を組み立てたり校庭で民俗ノリを楽しんだ。

民族遊技にチャレンジ

 ソウル教育大学付設初等学校では、同校の児童、学父母150人が待ち受ける中、88人のオリニが訪問した。共同で民族色豊かな団扇(うちわ)を作り、チェギチャギ(石蹴り)、ペンイ(コマ回し)など初めて見る民俗遊戯に挑戦した。昼食は同校児童のオモニたちの心がこもった料理を味わった。
 3校とも、前日までのはしゃぎ様がウソのように最初は緊張気味のオリニ達だったが、手をつなぎ、一緒に工作や遊戯を楽しむ中で、身振り手振りで思いを伝えあうなど徐々にうち解けていく姿にスタッフたちも喜びを表していた。すべてのスケジュールが終了したときには、お互いの住所を交換して、手紙を書く約束を交わすオリニや、涙ぐみながら両手で握手する姿もあった。

遊園地で歓声挙げる

 龍仁にある韓国でも最大規模の遊園地・エバーランドを訪れ、約半日にわたってジェットコースターなどのアトラクションを楽しんだ。
 到着するなり、オリニらはお目当てのアトラクションに向かって一直線。あれもこれもと、目移りする中、オリニ同士で優先順位を決めて、坂道の多い園内を駆けめぐっていた。
 昼食時には、リーダーから「いっぱい入れてって、韓国語でどう言うの」とならい覚えた「マーニ、マーニ(いっぱい)」を給仕係の女性に連発するオリニもいた。

涙で別れ惜しんだ夜

 最終日の夕方から、パインリゾートの野外広場で行われたフェアウェル・パーティーにはオリニを含めて保護者やスタッフ全員が参加、最後の夜を楽しんだ。
 期間中に誕生日を迎えたオリニがステージに上がり、ケーキに立てられたロウソクを吹き消し、ハッピバースデー「ウリチング(友達)」を歌いながら全員で誕生日を祝った。
 ソウルYMCAのレクレーション担当者を迎えて、踊りやノレを歌いながらキャンプファイヤーに点火し、最後の夜を楽しんだ。
 ジャンボリーのテーマソング「故郷の春」「アプロ」は、前日までの控えめな声から、同夜はスタッフ全員が驚くほどの大声で歌った。保護者もリーダーも全員が一つの輪の中で踊り、歌うなど一体感を感じたキャンプファイヤーとなった。
 一人ずつ灯したキャンドルを片手に、各班ごとにジャンボリーの楽しかった思い出を語り合い、キャンプファイヤーの火の回りに、一人ひとりが400本のキャンドルを並べて「来年も絶対に参加したい」と大声で叫んでいた。別れを前に、オリニもリーダーも涙を流して別れを惜しんだ。

(2001.08.29 民団新聞)



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