民団新聞 MINDAN
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「朝鮮通信使」が花盛り

静岡・岐阜・兵庫でイベント



昨年の長崎県厳原町で
開かれた「アリラン祭」でも
朝鮮通信使が披露された

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4市区町でパレードの計画
地元民団と総連も協力へ
9〜11月、W杯共催のムードづくりにも

 韓日善隣友好の歴史的資産である「朝鮮通信使」の行列を再現するイベントが今秋、静岡市、岐阜・大垣市、兵庫・御津町、兵庫区の各地で相次いで繰り広げられる。長崎県厳原町や岡山県牛窓町では毎年の恒例行事として定着しているが、全国的にこれだけの広がりを見せるのは初めて。メーンの隊列は地元の民団と総連所属の有志で構成、在日同胞の和合・交流をアピールする。
 新たに朝鮮通信使を再現する4地区とも企画は2、3年前から。来年のサッカーワールドカップ韓日共催を前に、日本と韓国との友好ムードを盛り上げたいとの狙いもあるようだ。
 岐阜県大垣市が朝鮮通信使を再現するのは、朝鮮通信使の通った中山道、東海道などの五海道制定400周年を記念しての企画だが、もう一つ「ワールドカッププレイベント」としての位置づけも。10月7日に開催する同市の五大祭りの一つ「十万石祭り」で披露する。
 隊列には地元の民団と総連から初めて合同で参加、日本人市民とともに200人規模で朝鮮通信士使の通った俵町から大垣駅通りに至る美濃路をパレードする。ワールドカップの事前PRも兼ねているだけに、後列には地元少年サッカーチームも加わるという。
 静岡では民間レベルで朝鮮通信使再現実行委員会(小島良之委員長)を構成した。地元の民団と総連本部から実務者が、個人の資格で加わっている。ただし、実務的な会議は双方の事務所持ち回りで開いており、「会うごとに気安くなっている」(金勇民団静岡県地方本部事務局長)。
 イベントを提案した金両基常葉学園大教授は「日本の市民、民団、総連が三位一体で取り組むことはかつてなかった。みんなの力で盛り上げていきたい」と話している。
 計画では10月28日、静岡市の中心商店街で180人の行列を再現する。このほか朝鮮通信使の史料を展示したり、韓国物産の販売コーナー、焼き肉やお酒を販売する「コリアタウン」も青葉公園に設ける。

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震災復興をアピール、兵庫区は400人規模

 兵庫区では「(阪神大震災から)復興した姿を見てもらいたい」(兵庫区役所まちづくり推進課の話)と、9月15日から23日まで開催する「ひと・まち・みらいKOBE2001兵庫区歴史文化交流フェステイバル」のなかで400人規模の華やかな大行列を企画している。
 地元民団からは西神戸支部と兵庫支部が中心となってかかわっている。
 行列はサムルノリ隊を先頭に「統一旗」、あでやかなチョゴリに身を包んだ婦人会兵庫県地方本部会員、武士団、地元の民団と総連の有志で構成する一般通信使、唐人踊りなどで構成する。
 なお、御津町では24自治体24団体の加入する朝鮮通信使縁地連絡協議会第7回交流大会が行われるのに合わせての実施。同町の「合併50周年の目玉事業」として11月3,4日の両日、御津町室津と文化センターを会場に行う。


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山口、上陸の地下関で記念碑除幕

 【山口】朝鮮通信使が日本本土入りした際、最初の上陸地となった下関市阿弥陀寺町(当時、赤間関)に山口県日韓親善協会連合会が中心となって記念碑を建てた。25日の除幕式には碑文「朝鮮通信使上陸淹留の地」を揮毫した金鍾泌韓日議員連盟会長らが韓国から出席した。日本側からは三塚博日韓親善協会中央会会長、安倍晋三内閣官房副長官らが駆けつけた。
 除幕式で朝鮮通信使上陸の地記念碑建立期成会の林孝介会長は「私たちは朝鮮通信使のもつ歴史的意義を引き継ぎ、健全にして明るい日韓関係を構築していくことが我々に与えられた責務であると確信している」とあいさつした。


(2001.08.29 民団新聞)



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