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鍵は「発酵」にあり



 「O157キムチ原因濃厚」という韓国人にとってはショッキングな新聞記事が掲載されたのは9月初だった。以来、スーパーなどでのキムチの売り上げが半減しているという。

 でも待てよ。韓国でも在日社会でも春夏秋冬キムチを食べるが、キムチで食中毒になったなんていう話は聞いたことがない。

 先頃、国際食品規格委員会(CODEX)でキムチ規格が定められたが、発酵させず添加物を使用して作ってもキムチと呼べるらしい。「発酵してなければキムチにあらず」とこれに反旗をひるがえす人によると、O157の疑いが強いキムチは「和風」で発酵させていないものだと。

 韓国観光公社によると、韓国では7世紀から塩蔵キムチがあり、その後唐辛子やニンニクが使用され、19世紀には現在のような姿になったという。本来なら、熟成の過程で発生する乳酸菌によって有害な細菌の作用が抑制され、抗菌作用が強化される。つまりO157が入り込んでも繁殖できない訳だ。日本の一部キムチは発酵過程が無い。無菌状態の工場で漬けているというが、一旦細菌が入ればなすすべはない。

 キムチは数百年の歴史の中で安全に食べ継がれてきた。「発酵」という自然の恵みを最大限に生かした英知の漬け物といっても良い。

 「キムチで食中毒」といわれれば韓国人の誇りは痛く傷つく。発酵・非発酵の表示が必要かも。(L)

(2001.09.26 民団新聞)



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