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同胞老人ホーム建設へ

2世が私有地2200u提供



具正晴さん

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社会福祉法人設立目指す

 都内の在日同胞有志が中心となり、埼玉県内に特別養護老人ホームを建設しようと呼びかけている。土地は呼びかけ人の在日2世が自ら所有する2200平方bの土地を提供、2500万円の出資金を集めて来年には社会福祉法人の申請を目指したい考えだ。


■同胞1世の訴えに心動かされる

 特養ホームの建設予定地は、埼玉県比企郡鳩山町。新興住宅地として知られる鳩山ニュータウンに隣接しており、敷地面積は2200平方メートルある。

 計画によれば施設は3階建て。完成すれば90人が入所できる見込み。

 この土地は、在日2世の具正晴さん(54)・豊島区西池袋、会社役員・が自らの信仰のよりどころにとかつて有料のクリスチャンホームを建設しようとした場所。計画そのものはバブルの崩壊で融資のめどもつかず、宙に浮いていた。そんな折り、豊島区内では常時300―400人が特養ホームの入所待ちに置かれている現状を区内の在日1世、姜順礼さん(81)さんから聞かされ、特養ホーム建設に思い至ったという。

 姜さんにはアルツハイマー病の夫人を受け入れてくれる特養ホームを確保できず、狭心症の持病を抱えながらもショートステイ先確保のために奔走した苦い思い出があった。姜さんは「東京の近隣に在日のための特養ホームを建てられないものか」と切々と訴え、これに具さんも共鳴。豊島区議会議員で老人介護問題に詳しい泉谷剛さんを加え、9月になって3人で「特別養護老人ホーム鳩山望郷の里」設立委員会(代表発起人、具正晴さん)を発足させた。

 当面、「生きる力を与え、思いやりに満ち、幸せを求めることのできる社会の建設」をスローガンに広く協賛者を募り、5000万円を集めたいという。

 このうち、2500万円が集まりしだい埼玉県に社会福祉法人としての認可を申請していきたい意向だ。

 具さんは「少子高齢化は避けて通れない問題。最後まで責任を持って取り組みたい。賛同者を一人でも多く集めたい」と意気込んでいる。

(2001.09.26 民団新聞)



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