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金昌植委員 |
地方本部レベル重視を
意見開陳の機会を与えて下さったことを生涯の光栄に存じます。
在日同胞社会は祖国分断の影響をまともに受け、韓国民団と朝鮮総連が結成されて半世紀以上を同じ民族として対立と反目を重ねてきました。
私たち在日同胞は20世紀の不幸な歴史の中で、祖国解放の喜びを感じることもなく悲惨な歳月を送ってきた世界に類例のない歴史を有する存在であると言えます。
しかし時代は早い速度で流れています。
過去の民族の悲哀を教訓として前進する21世紀、希望と感動の世紀を築くために在日同胞間の交流と和合を拡大しひとつとなった時がまさに「解放の日」の要因となると確信する次第です。
民団は91年の世界卓球大会選手権大会以来、在日同胞社会の和合を目指して総連との交流を積極的に推進し、昨年一年間に民団主導のもと、日本各地で200件以上の交流が行われました。
大阪においては、歴史的な南北首脳会談と6・15南北共同宣言の基本精神に立ち、去る3月25日、大阪ドームで民団と総連、大阪府民・市民の3万2、000名余りが集まり、在日同胞の和合と南北そして日本の友好親善と地域社会との共生・共栄を期する「大阪ハナマトゥリ」を開催し、関係各位のご指導、ご協力を得て大成功を収めました。
この行事は、一言で言えないような成果を私たちにもたらしています。
50年間余り対立と反目によってあいさつさえしてこなかった人たちが、完全に組織を離れた立場で実務幹部が互いに本部を相互訪問したのをはじめ、互いに連絡を取り合いながら今後の在日同胞社会の展望について論議もし、今日までの不信から相互信頼性が造成され、その結果、30件余りの和合のための交流が実現したのです。
私はここではっきりと皆さんに提議したいと思います。
今後の方向性として、民団中央本部は継続的に総連中央本部との交流を必ず行っていただき、一方で地方本部単位での交流をより重要視してこそ飛躍的な前進があるものと考えます。
各地方本部、各支部での交流を強力に推進するために内容の充実化と前提条件のない自由な和合の場を定着させましょう。そして、理念と体制を越えて民族愛の次元からソウル―平壌の相互訪問を実現し、反目を協力に、対立を和合に回復させていきましょう。
同時に、在日同胞としての共同体意識を植え付け民族の宿願である祖国の平和統一に、70万同胞がひとつとなって先頭に立つことを建議する次第です。
(2001.10.17 民団新聞)
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