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ドラゴン銀行出帆へ

新銀行の概要明らかに



 ドラゴン銀行設立準備事務所が先の全国団長会議で明らかにした新銀行の概要は次の通り。


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新銀行の概要

▽商号=株式会社ドラゴン▽本店所在地=東京都中央区(予定)▽自己資本合計=300億円(設立当初)

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経営理念

 新銀行は関西興銀、東京商銀、京都商銀、福岡商銀の受け皿として、各信用組合が各々の地域の在日韓国人社会において果たしてきた経済的地位を引き継ぎ、金融機能や地域経済の円滑な運営に対し、重要な役割を果たすことが使命であると考えております。

 また、ペイオフ解禁を控え、健全経営を続ける在日韓国人信用組合の信用力の後ろ盾となるためにも、財務基盤を強化し内外市場の一層の信認を得て安定した資金調達を図り、在日韓国人中小企業及び個人に資金を円滑に供給してまいります。

@中小企業及び個人など、リテール分野に特化した経営基盤の構築を目指します。

A顧客ニーズに適合した、新しい金融サービスをスピーディに提供してまいります。

B時代を担う新規産業に対する円滑な資金供給等、社会的使命を果たしてまいります。

C在日韓国人経済基盤を中心とする地域経済を金融面から支えるとともに、健全経営を続ける在日韓国人信用組合の後ろ盾となります。

D合理的かつ透明度の高い経営の下で、企業価値を高め、株主利益の向上を図ります。


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営業基本方針

@資金調達

 経営破綻に至る過程および経営破綻以降に失った取引基盤の回復を最優先課題として取組み、さらに顧客情報を活用した積極的な営業展開により取引基盤の再構築を図ってまいります。

 具体的にはまず、これまで取引のあった先へのアプローチに努め、システム化した営業体制を導入し、効率的且つきめ細やかな営業活動を行ってまいります。

A資産運用

 4信用組合から引き継ぐ善良かつ健全な顧客との取引基盤を維持、強化するとともに、中長期的には中小・零細企業向け融資を事業の中心と位置づけ、地域への貢献を果たしてまいります。


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自己資本比率

 営業譲受日までに資本金総額300億円以上を確保いたします。

 2001年8月31日に発起人による出資の払込を完了(167億円)し、さらに韓国政府が直接出資または劣後債の形にて100億円を引受けるとともに、広く在日同胞から出資を募り、資本金を補強いたします。

 また、8%以上の高い自己資本比率を常に維持することで、安定した経営基盤を示し、内外からのより厚い信認を得ることにより、本国からの支援と在日同胞や広く一般からの出資を募り、2006年3月期には資本金規模1000億円を目指し、経営基盤の一層の安定化を図ります。


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組識・人事政策

@組織

 めまぐるしく変化する金融情勢に即座に対応し、収益機会を確実に 捉えるためにも、意思決定の迅速化が非常に重要であると考えております。そのためにも迅速な意思決定が可能で、かつ責任の所在が明確になるフラットな組織を基本とします。

A人事政策

 これまで各信用組合が培ってきた地域密着型営業の独自性を活かすため、引受け信用組合の職員を最大限採用するとともに、国籍にとらわれない金融業務の専門知識をもつ、優秀な人材を登用してまいります。

 そして個々の役割と報酬の判断基準を明確化し、基本給は仕事の役割、知識、スキルなどを反映して決定する一方、インセンティブは組織および個人の業務達成度を評価する成果主義を導入します。

 また、昇進・昇格制度についても企業価値創造の視点を反映し、その基準の明確化を行った上で、個人のキャリア・パスを設定します。

B店舗体制

 本部機構は東京、大阪の2ヶ所に置き、それぞれ経営ビジョンの具現化に対応した機能を持たせます。支店に関しては引き受け信用組合の店舗網を最大限活用し、営業ポイント配置手法である、ハブ・アンド・スポーク戦略の採用により収益基盤の再構築をしてまいります。


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コーポレートガバナンス

(企業統治)と法令遵守体制

@基本的な考え方

 社会に貢献できる新しい銀行として再生を図れるよう努力してまいります。また、銀行の健全性が損なわれないよう機関銀行化の回避やリスク管理を徹底し健全な経営を行うことにより、コーポレート・ガバナンスの確立を図り、企業価値を高めることにより適切なリターンを持って株主への貢献を果たします。

A法令遵守体制(コンプライアンス体制)

 銀行の持つ公共性、社会性を踏まえ、業務を推進するために必要な内管理体制を定め、社会的責任と公共的使命を柱とした企業倫理を構築してまいります。


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リスク管理

 4信用組合の破綻原因の一つにリスク管理体制、特に信用リスクの管理体制が十分に機能しなかったことが挙げられます。

 新銀行ではこれまでの体制を一新し、さらに今後金融業務の多様化・複雑化により発生するリスクに対し審査部門と営業部門を厳密に分離し、審査のプロセスから営業上の要請や株主を含む特定者からの情実などの恣意性を一切排除し、公正な審査が行われる体制を確実に整備してまいります。

(2001.10.24 民団新聞)



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