民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
青年会「歴史を伝える運動」

キャラバン隊終了、400人の証言聞く



宮崎での聞き取り調査

■□■□■□
日本列島を縦断…来年2月に中間報告

 在日同胞が生きてきた歴史を、3世4世をはじめ後生に残していこうと青年会(金昌敏中央本部会長)が今年5月からスタートさせた「歴史を伝える運動」のうち、「自分探しの旅」の全国キャラバンが21日までに九州の鹿児島、宮崎地方の調査を終えて終了した。同キャラバンは2班に分かれ北海道から九州まで全都道府県を走破し、400人以上の1世から聞き取り調査を行った。

 在日同胞が生きてきた歴史を、3世4世をはじめ後生に残していこうと青年会(金昌敏中央本部会長)が今年5月からスタートさせた「歴史を伝える運動」のうち、「自分探しの旅」の全国キャラバンが21日までに九州の鹿児島、宮崎地方の調査を終えて終了した。同キャラバンは2班に分かれ北海道から九州まで全都道府県を走破し、400人以上の1世から聞き取り調査を行った。


■□■□■□
日本列島を縦断
来年2月に中間報告

 青年会が提唱した「歴史を伝える運動」は、在日同胞がどのようにして日本に渡り、生活を営んできたのかという生活の歴史が風化していく中で、在日同胞の歩みを後生に残したいとスタートした。

 1世からの聞き取り調査を始めるに当たって、5月には青年会中央本部の役員で構成されるキャラバン隊を構成し、北海道から太平洋側を南下する「太平洋キャラバン」と主に日本海側を移動する「臨海キャラバン」の2班が活動を開始した。キャラバン隊は、各地で活動する青年会と共に、地域史をよく知っている1世世代から聞き取り調査を重ねてきた。

 500人を目標に聞き取り調査が計画されたが、すでにキャラバン隊だけで400人以上の1世から渡日の状況や解放後の生活、現在にいたるまで、地域ごとの在日同胞の歩みを調べてきた。キャラバン隊は九州で終了したが、聞き取り調査は11月末まで各地方の青年会でも続けられており、目標の500人を達成する見込みだ。

 キャラバン隊最終地の宮崎では、多くの同胞が都城にあった飛行場建設に関わり、その多くが郡元や菖蒲原(あやめばる)という集落に居住していた事実が浮き彫りにされた。また、同胞が多く居住していた常久集落から同胞が離散する状況なども明らかになった。特に宮崎では、解放直後には3000人以上の同胞が居住していたが、収入の道を得られなかった同胞は、多くが大阪など県外に移住していった事実が分かった。

 5月からキャラバン隊で3万5000`にわたって日本を縦走した金会長は「もう少し調査が遅ければ、宮崎のいくつかの集落から同胞がいなくなった理由は誰も知らなくなっていたはず。しかし、本当は解放までに旭化成の火薬工場などに従事した同胞が数多くいた。当時を直接知っている1世から話を聞けただけでも良かった」とタイムリミットに間に合ったと話している。

 11月末までに集まった1世の証言は、来年2月には中間報告をまとめ、編集が終わり次第、在日同胞の歴史資料として世に問いたいという。

(2001.10.24 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ