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「狂牛病」で打撃の焼肉業界支援へ

民団、自治体や教育委に働きかけ



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学校給食の「牛肉解禁」を

 牛海綿状脳症(いわゆる狂牛病)騒動で深刻な打撃を被っている在日同胞焼肉業界を支援するため、民団は全国各地の自治体、教育委員会に対して学校給食での「牛肉解禁」を働きかけていくことになった。各地の在日韓国商工会議所では会員企業を対象にすでに公的融資制度の紹介に努めているが、民団が対策に乗り出したことでさらなる広がりも期待される。

 消費者の牛肉離れは9月20日以降、全国で1万校を超す小中学校が学校給食で牛肉の使用を取りやめたことから本格化した。焼肉店から家族連れの姿が消え、売り上げ低迷の大きな要因となっている。

 日本政府の18日の「安全宣言」を受けて文部科学省としても全国の都道府県教委に安全性をアピールしているが、末端の教育委員会の判断はというとまだ分かれているようだ。たとえば、大阪市では11月から牛肉の解除を決めたのに対し、東京の足立区などでは「まだ控える」という。

 民団としては、学校給食から牛肉使用を自粛している現状が主婦層の不安をあおる結果となっているとの判断から、全国の教育委員会に一日も早い牛肉の使用を呼びかけていくことになった。学校給食での牛肉使用再開こそが、騒動の事実上の終結宣言につながるとの判断だ。

 同時に売り上げ低迷からつなぎ資金に窮している焼肉店などに対し、中小公庫、国民公庫、商工中金、及び自治体の実施している公的融資制度について周知徹底を図っていく。

 政府系の緊急融資制度は原則的に担保が必要だが、利率は1・7%前後と比較的低利で貸付けを受けられる。自治体によってはさらに金利が低い例もある。

 この間の狂牛病騒動は行政側の不手際によるところも大きい。このため、坂口力厚生労働相に対しては国として安全宣言を立証するための広報活動の強化、焼肉店への効率的な支援措置といった実効的な措置を求めていくことにしている。

(2001.10.31 民団新聞)



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