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民団同胞の北韓訪問実現を




 第6回南北長官級会談が9日から金剛山で開かれることが決まりました。開催場所などを巡って協議が続いていただけにほっと一息です。

 南北間には離散家族の相互訪問や京義線復元、金剛山の陸路観光、金正日国防委員長のソウル訪問など、懸案が山積しています。

 なかでも私たちが今もっとも関心を持っているのは、民団中央が政府に再三要望してきた民団系同胞の北韓訪問がいつ実現するかということです。


■北出身、北送家族こそ離散家族

 既に総連系同胞は、昨年9月から実施され始めた総連主催による「故郷訪問団」でも、約400人もの人たちの韓国への往来が実現しています。

 対照的に民団系同胞の北訪問は、昨年10月に金大中大統領が来日の際、民団幹部に約束されたものでありながら、未だに進展があるようには見えません。

 私たちは総連系同胞の韓国訪問より、民団系同胞の北訪問の実現が切実に望まれていると考えています。

 なぜなら、韓国に親族を持つ総連系同胞は本来の離散家族とは言えず、北韓に家族を持つ民団系同胞こそが真の意味で離散家族と言えるからです。

 総連系同胞は、韓国に居住する親族とはその気さえあればいつでも会うことができます。民団が25年前から行っている母国訪問団に参加するなり、韓国の親族が日本に来て会うことも可能なのです。

 離散家族とは、物理的な条件によって会いたくても会えない人たちのことを指していうのです。北送家族を持つ人たちや北地域出身の在日同胞こそが、まさに離散家族なのです。


■人道的観点から早急に論議を

 総連系同胞の韓国訪問について、南北両政府は離散家族の一環として人道的な立場から実現したと、その理由を説明しました。

 人道的な観点からと言うなら、まず優先されるべきは北送同胞の縁故者たちであり、民団系の在日韓国人だと私たちは考えます。

 北送同胞の在日家族は、40年もの間自由な再会が許されず、放置されたまま北送家族を人質にした脅迫に苦しめられているのが実情です。

 また民団に参加している多くの総連系同胞が、やはり北訪問の自由を保障されておらず家族再会の機会に恵まれていません。

 北地域出身の民団団員にはなおさら訪北の機会はなく、北韓にいる残留家族と再会機会は皆無も同然なのです。

 この人たちこそが真の意味で離散家族であり、南北当局者の間で家族再会の機会を得られるよう解決しなければならない人たちなのです。

 南北当局の保障のもと民団系同胞の北訪問が早期に実現されるよう、南北長官級会談で懸案事項の一つとして議論されることを強く望むものです。

(2001.11.07 民団新聞)



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