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青年会「歴史伝える運動」の編集作業開始



録音テープから文章化する作業を
続ける青年会中央のメンバー

第1次編集各県の全体像明らかに
来年2月の中間報告に反映

 在日同胞が生きてきた歴史を後世に残そうと青年会(金昌敏中央本部会長)が取り組んでいる「歴史を伝える運動」で集められた証言の編集作業が始まった。現在、青年会中央本部のメンバーが、500人に上る聞き取り調査の際に録音した証言テープを文章化する作業に入っている。


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苦労の歩み文章に

 青年会では、来年2月に開かれる中央大会には中間報告書を提出する予定のため、録音テープから文章化する作業を急ピッチで進めている。第1段階として、47都道府県の49地方本部ごとに3人の証言を抽出し、合わせて147人の証言を文章化する作業に入っている。

 これは、各都道府県に同胞が居住するに至った大きな経過を県別(都市別)に明らかにするための作業だ。炭鉱、飛行場建設、軍需工場などで徴用・強制連行で働かされていた同胞が、解放後はどのような手法で生活の糧を得たのかが、各地方で微妙に異なるためだ。県別の大きな流れを示しながら3人の証言で同胞史の流れを肉付けする。

 一人につき1時間から2時間の聞き取りを文章化するのに数倍の時間がかかるが、150人弱を12月中旬までに終える予定だ。その後、聞き取り時に撮影した映像の編集作業にも着手する。

 作業にたずさわっている青年会員らは「今まで『なぜこんな所に同胞が住んでいるのか』という謎が解けた」と編集作業に余念がない。最終的にはすべての聞き取り調査を文章化すると同時に映像も編集し、地方別の在日同胞の歩みを明らかにする資料に編纂する計画だ。

 金会長は、より多くの同胞からの情報を得られるように最終的にはインターネットに情報を流し、より緻密な歴史資料にしていきたいと考えている。

 「歴史を伝える運動」は、在日同胞がどのようにして日本に渡り、生活を営んできたのかという生活の歴史が風化していく中で、在日同胞の歩みを後世に残したいとスタートした。開始に当たって、今年5月には全国を巡回しながら聞き取り調査を行うキャラバンを組織し、北海道から九州まで全都道府県を走破し、400人以上の1世から聞き取り調査を行ってきた。同時に11月末まで各地方の青年会でも調査が続けられ、目標の500人を達成する見込みだ。

(2001.11.07 民団新聞)



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