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「公務員国籍要件」の緩和

北九州市と福岡市も



 【福岡】北九州市と福岡市の政令指定都市2市が、02年度実施の採用試験から消防吏員を除く全職種で国籍要件を撤廃する方向で検討していることがこのほど明らかとなった。これで政令指定都市12市のうち定住外国人の公務就任に門戸を閉ざしているのは千葉市を残すのみとなった。


◆政令指定都市12市中千葉市だけ未定

 北九州市が国籍要件を撤廃するのは51職種中、一般事務職と一般技術職など消防職を除く残る5職種。同じく福岡市でも49職種のうち消防職を除いた行政事務、行政技術職などの残る14職種を門戸開放の対象としている。ただし、両市とも国の見解に従って土地収用や税の賦課など公権力の伴う一部職場への配置については制限を設ける。また、任用にあたっても専決権を持つラインの課長以上への任用を認めていない。

 今回の両市の国籍要件撤廃の裏には、地元民団支部などからの持続的な働きかけがあった。

 北九州市に対しては民団小倉支部が99年以前から持続的に請願活動を繰り広げてきた。今年3月にも民団など3団体が同様の請願をしており、8月28日の市議会総務財政委員会での国籍要件撤廃表明につながった。民団福岡支部でも96年から市議会への請願、市長への面談、各議員への個別働きかけなどを繰り返し、3年前には任命権者たる山崎広太郎市長から門戸開放の言質を得ていた。

 今年に入って右派市民団体が市議会に反対の請願を提出したため民団側の請願そのものが宙に浮く形となっていたが、北九州市の門戸開放の動きに触発される形であらためて一般職を条件付きで撤廃していく方向で検討に入った模様だ。来年度の職員採用試験から定住外国人の受験が可能になる見込み。

 民団福岡支部の宋一柱支団長は「小さな一歩ではあるが、福岡市での撤廃で他都市への広がりと波及が期待できる。将来的には配置や昇進での制限をなくす努力をしていきたい」と述べた。

(2001.11.21 民団新聞)



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