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地方選挙権法案の早期成立を




 去る6日、私たちが熱望している永住外国人への地方選挙権付与法案が衆議院の政治倫理・公選特別委員会で継続審議とされました。その翌日、臨時国会は閉幕しました。

 98年10月、この法案が国会に提出されて以来、これで幾度目の継続審議となるのでしょうか。


■不当な先送りすべきでない

 21世紀の最初の年を迎えた今年、私たちは地方選挙権法案の成立を強く期待してきました。昨年まで3会期にわたって計14時間以上の国会審議と参考人質疑も行い、大方の意見が出し尽くされ、与党幹部が言うように、「採決に熟した」段階に至ったからです。

 ところが、4月末に小泉首相の就任とこの法案に反対する少数派が自民党執行部に登場してから雲行きが怪しくなっていきました。

 この間、実際に反対表明をしている自民党議員はその全体の数の3分の1にも満たないのが実情です。多くは良識ある議員です。

 ただ反対派の右寄りの発言と、一部大手マスコミ等が執拗に反対キャンペーンを展開しているために黙っているという状況です。

 反対派は、これまでの国会審議でその是非が「採決に熟した状態」にあることを充分に考慮し、これ以上不当な先送りをすべきではありません。また、党議拘束をはずして自由投票にすることにも反対すべきではありません。

 私たちは、この法案に賛成する人にも、反対する人にも耳を傾けてきました。この数年間の世論調査を見ると継続して6割以上が付与に賛同し、3割程度が反対しています。この数値は今後も大きくは変わらないでしょう。


■「住民権」付与は時代の要請

 民主主義の世界においては100%の賛同はあり得ません。だから多数決で物事を決めるのです。永住外国人への地方選挙権付与法案においては、党議拘束をはずし超党派で個々の議員の良識で採決するのが民主主義にかなっているのではないでしょうか。

 与党3党は、2年前にこの法案を「成立させる」とした合意書を速やかに履行すべきであります。公党間の約束であるとともに、政治家にとって最も大事な信義の問題でもあります。

 長年共に生活する私たちに、「住民権」である地方選挙権を付与することは時代の要請です。国際化の流れを能動的に受け止め、外国人住民の人権に配慮し、「共生」していく、そうした意識の変革が求められています。

 11日からは、ソウルで第27次日韓・韓日議員連盟合同総会が開かれ、この問題の早期決着に向けた共同声明も予定されています。

 来年は1月下旬から通常国会が開かれます。これ以上先送りすることなく、遅くとも5月末のW杯韓日共同大会開幕までに、この法案が円満に成立するよう、私たちは熱望しています。

(2001.12.12 民団新聞)



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