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選挙権付与法案またも継続審議

W杯開幕前までに決着を



 日本の第153臨時国会が7日、72日間の会期を終え閉会した。与党3党中、自民党を除く公明、保守両党が昨年7月に議員立法で提出した永住外国人への地方選挙権付与法案は、今国会では一度も審議されることなく、再び継続審議となった。これに対し民団は、強い遺憾の意を表明するとともに、来年1月21日からの通常国会(会期150日)での同法案の早期成立をめざし、関係各界への働きを、一層強めることにした。


◆民団 通常国会早期成立めざす

 9月27日にスタートした今国会は、開会直前に起きた米同時多発テロに対応し、自衛隊の本格的な海外活動を初めて規定するテロ対策特別措置法を成立させ、92年以来の懸案だった国連平和維持活動(PKO)協力法も改正するなど、日本の外交・安保政策にとって大きな転回点となった。

 その一方で、日本のいっそうの国際化と多文化・共生社会推進に重要な永住外国人地方選挙権付与法案は審議すらもされなかった。

 地方選挙権付与法案の成立は99年の自民党を含む与党3党の政権合意での「公党間の約束」であり、一昨年の第150回臨時国会では衆議院の政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会で4回にわたり質疑および参考人聴取が行われ、採決段階にまで至った。だが、与党の一部議員の慎重・反対意見や会期終了間際となったことから、継続審議とされた。

 その後、第151回通常国会(今年1月31日〜6月29日)では自民党の反対で与党間の調整が難航、結局採決延期となり、審議自体もないまま継続審議となった。

 今国会でも、審議されず継続審議扱いとなったために、民団では新年明けの通常国会会期中、遅くとも2002年韓日共同開催サッカー・ワールドカップ(W杯)開幕(5月31日)前までには成立するよう、働きかけを強化する。

 民団中央本部の徐元附総ロ局長は10日、次のようなコメントを発表した。

 テロ対策などで追われた国会だったとは言え、法案がまた継続審議となり先送りされたことに、私たちは失望を禁じ得ず残念でならない。

 反対派は、これまでの国会審議で法案が採決に熟した状態にあることを充分に考慮し、これ以上不当な先送りをすべきではない。与党3党は、2年前にこの法案を「成立させる」とした合意書を速やかに履行すべきだ。  長年共に生活する私たちに、「住民権」である地方選挙権を付与することは時代の要請で、外国人住民の人権に配慮し、「共生」していく社会づくりが求められている。

 これ以上先送りすることなく、来年1月からの通常国会の会期中に、遅くとも5月末のW杯韓日共同大会開会までには、この法案が円満に成立するよう私たちは熱望している。

(2001.12.12 民団新聞)



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