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韓国サッカーと欧州サッカーの違い


ヒディンク監督の講演から



韓日W杯・弱点補完すれば16強入りも
韓国代表選手戦術・パワーなど不足

■やりにくい初戦の相手■

 「米国は欧州チームと同じく、ほとんどどの選手が大柄でパワフルだ。韓国がサッカー2002年ワールドカップ(W杯)本大会1勝という目標を達成するには、パワーとスピードで試合を掌握する相手を圧倒しなければならない」

 サッカー韓国代表チームのヒディンク監督は4日、京畿道坡州の韓国代表トレーニングセンター(NFC)で開かれた「NFC完工記念セミナー」で、第一線の指導者たちを対象に「韓国サッカーと欧州サッカー」というテーマで講演、韓国のW杯1次リーグの対戦相手であるポルトガル、ポーランド、米国について具体的な評価をして注目された。

 ヒディンク監督は初戦の相手ポーランドについて「典型的な欧州スタイルのチームで、特に両サイドの突破が強く、カウンター攻撃がうまい」と紹介した。同監督はさる1日の組み合わせ抽選会前、イタリアの代表監督でさえポーランドやイングランド、デンマークが同じ組に編成されないことを願っていたとし、「ポーランドは戦力を温存しておいて、決定的な瞬間に実力を発揮するトリック(trick)≠ノ長けたチームだ。ポーランドのほうがポルトガルよりやりにくい相手だ」と強調した。

 ポルトガルについては「南米型欧州サッカー」で個人技量に長けており、抜群の組織力を持っている「個人技と戦術のバランスが取れた世界的なチーム」と高く評価した。また米国については、ポーランド、ポルトガルと同じく、「欧州スタイルのサッカーを駆使し、精神的にもタフで、厳しい相手」と主張した。


■残り6カ月が最も重要■

 現在、オランダのNACブラダー所属のアニー・スチュワートなど、欧州のプロリーグで活躍している選手を8人も擁している米国は、パワーとスピードが優れた欧州型サッカーを駆使するので、それに備えて緻密な戦略を立てなければならない、と力説した。

 同時に、ヒディンク監督は、ポーランドやポルトガルのような欧州の強豪でも、韓国が準備さえ徹底すれば勝つことができ、1次リーグを通過して16強以上の成績を出せる、と自信をほのめかした。同監督は「今年1月に韓国の代表監督に就任してから、これまで十分に準備をしてきた。だが残り6カ月が最も重要」とし、「来年6月に韓国が100%の戦力で相手チームを制圧できるよう、調整していく計画だ」と述べた。

 韓国サッカーが最も補完しなければならない点として技術、戦術、体力、精神力の4つの要素と、バランスの取れた発展をあげた。また、代表候補の選手たちのテクニックは目標の85%程度だが、戦術(30%)とパワー(50%)、責任感(30%)は非常に不足していると指摘した


■選手同士の対話が不足■

 代表チームで感じた韓国サッカーと欧州サッカーとの最も大きな違いとして、選手同士の対話不足を挙げた。たとえば▽選手たちが若年層(18〜23)、中間層(24〜27)、老将層(28〜32)などに別れて、食事する時もそれぞれのテーブルを囲んで座り、平素も互いに対話すらしない▽このような代表チームの「文化」が試合の時にも表われて、全体的な組織力を緩める結果を生み出した▽欧州のように試合の時には高い声で自分の位地を知らせ合い、誤ったところを指摘し合わなければならないが、韓国チームは、若い選手たちが先輩に対しては、全く口を利かない。しかし、最近は非常によくなったと言う。

 ヒディンク監督は、「韓国代表チームは1月から国際的な水準の能力を備えた選手の選抜とプレーシステムの開発を同時に追求してきており、現在90%程度完成された段階」と述べ、「これまでしてきたように、弱いチームよりは強いチームを相手に多くの評価戦を行い、弱点を補完してW杯に臨めば、どのようなチームだろうと勝てるレベルに成長でき、16強入り(1次リーグ通過)は十分に可能だ」と重ねて強調した。

(2001.12.12 民団新聞)



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